プリオンの異常化機構の解明とBSE等のプリオン病の清浄化技術の開発

課題名 プリオンの異常化機構の解明とBSE等のプリオン病の清浄化技術の開発
課題番号 2015027839
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センター
国立感染症研究所
北海道大学
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 プリオン病研究に関しては、
a) L型非定型BSEプリオンをウシに経口投与(10g)し、74及び81ヶ月後に各組織における異常プリオンタンパク質の分布をウェスタンブロット法及び免疫組織化学染色法で調べ、感染が成立しないことを確認した。
b) 非定型BSE脳内接種・発症牛における異常プリオンタンパク質の組織分布をPMCA法により解析し、末梢神経や副腎に加えて骨格筋、唾液腺、リンパ節にプリオンタンパク質が分布することを明らかにした。特にL型非定型BSE感染牛では骨格筋における異常プリオンタンパク質の蓄積が顕著であることを示した。
c) 霊長類モデル(サル)において、L型非定型BSEプリオンを経口投与(8g)後、約3.5年を経過して、未発症サルの唾液から異常プリオンタンパク質を検出し、L-BSEプリオンの経口伝達を確認した。
d) L型非定型BSEプリオンはヒツジプリオンタンパク質過発現マウス及びヒトプリオンタンパク質過発現マウスに脳内接種により伝達 されるが、H型非定型BSEプリオンは伝達されないことを明らかにした。
e) L型及びH型非定型BSEプリオンを変異型Creutzfeldt-Jakob disease(vCJD)に高い感受性を示すタイプを含むヒトプリオンタンパ ク質を発現したノックインマウスに脳内接種又は腹腔内投与し、伝達が成立しないことを明らかにした。さらにマウスに経口投与し、約2年が経過しても、感染しないことを示した。
f) スクレイピー感染ヒツジの中枢組織(脳)及び末梢組織(脾臓)におけるスクレイピープリオンの特性を解析し、感染性や生化学 的特性が異なるプリオンが組織特異的に存在している可能性を明らかにした。
g) 非定型スクレイピープリオンは、脳内接種により、85ヶ月を経過してヒツジに伝達されることを確認した。
h) シカ慢性消耗病(CWD)プリオンは、ヒツジプリオンタンパク質過発現マウス及びウシプリオンタンパク質過発現マウスに脳内接種後2年を経過しても伝達されないことを確認した。
i) スクレイピーの感受性が高いタイプのヒツジプリオンタンパク質を発現した細胞株を作成し、ヒツジスクレピープリオンを感染さ せ、プリオンが増殖する例を確認した
j) 市販のBSE ELISAキット(ニッピブル)を改良し、非定型スクレイピープリオンの高感度検出に適した検査系を構築した。
k) アミロイド線維形成を指標とするプリオン検出系(real-time quaking-induced conversion、RT-QuIC法)を新たに導入し、ハムスタースクレイピープリオン感染脳乳剤を一億倍に希釈したサンプルから異常プリオンタンパク質が検出できることを確認した。
カテゴリ シカ 防除

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