② 昆虫の発生分化・成長制御機構の解明

課題名 ② 昆虫の発生分化・成長制御機構の解明
課題番号 2015027897
研究機関名 農業生物資源研究所
協力分担関係 国立研究開発法人筑波大学
国立研究開発法人科学技術振興機構
国立大学法人信州大学
国立大学法人名古屋大学
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 1.環境低負荷型の新規昆虫制御剤の開発に資するため、幼若ホルモン(JH)のシグナリング機構及び生理学的機能の解明 を行った。カイコ培養細胞を用いて、JHによる蛹化抑制の分子メカニズムを解析し、JHにより誘導された変態抑制因子Kr-h1が蛹化決 定遺伝子BR-Cの上流配列に直接結合することで、脱皮ホルモンによるBR-Cの転写を抑制することを明らかにした。
2.さらに、カイコを用いてJH生合成酵素JHAMT及びJH受容体 (Met1, Met2)の遺伝子ノックアウト個体を作出し、分子遺伝学的な機能解析を行った。その結果、JHAMT及びMet1タンパク質の阻害剤が新規制虫剤の開発ターゲットとして有望であることが示された。また 、従来のパラダイムを覆し、1~2齢幼虫においてJHは変態抑制に必要ないことを証明した。
3.ミトコンドリア膜輸送体をターゲットとした新規害虫制御剤を開発するために、S-アデノシルメチオニンなど4種の膜輸送体遺伝子を約20種の昆虫からクローニングし、酵母の機能発現系へ供した。さらに同系を用いて糸状菌培養液抽出物をスクリーニングし、クヌストモドキとエンドウヒゲナガアブラムシのADP/ATP輸送体遺伝子を発現する酵母の生育を阻害する2種の物質を単離・同定した。
4.昆虫個体で外来遺伝子を発現させる簡便な技術を開発するために、蛍光タンパク質遺伝子の発現プラスミドをリポフェクション試薬と混ぜて様々な昆虫に発現させた。複数種のガで蛍光タンパク質を発現させることができ、本法は幅広い昆虫種の遺伝子発現に利用できることがわかった。
5.トノサマバッタの相変異制御機構を解明するために、コラゾニンをコードする遺伝子を単離し、RNAiによる発現抑制の効果を解析した。本遺伝子の抑制により、相変異の特徴の一つである体色の黒化が著しく抑制され、形態的な違いも引き起こされることから、コラゾニンが相変異に関わる事が明らかになった。
6.次世代シークエンサーを用いた連鎖解析によって、P450の1種CYP6ER1がトビイロウンカのイミダクロプリド抵抗性の原因遺伝子 であることが裏付けられた。またPCRによる簡便な抵抗性遺伝子診断技術を開発した。
7.ハチ目昆虫のカブラハバチにおいて、TALENを用いた遺伝子ノックアウト法を確立し、効率的な条件を検証して論文化した。ゲノ ム改変による受粉媒介性のハナバチ類や天敵寄生蜂等に対する新規有用形質の付与への応用が期待される。
カテゴリ カイコ 害虫 かぶ 受粉 診断技術 抵抗性 抵抗性遺伝子 輸送

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