② 遺伝子組換えカイコの高度利用技術の開発

課題名 ② 遺伝子組換えカイコの高度利用技術の開発
課題番号 2015027907
研究機関名 農業生物資源研究所
協力分担関係 国立大学法人北海道大学
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 1.DNA結合部位を設計可能な転写活性化因子TALEアクチベーターを用いたバイナリー発現系のベクター開発に成功した。従来の発現系で問題だった細胞毒性が回避され、組換えタンパク質発現量は最大12倍となった。また、DNA結合部位を変えることで組 織別に異なるバイナリー発現系の構築が可能であり、今後、有用遺伝子の組織別発現への利用が期待される。
2.農家で飼育可能な実用品種での直接かつ効率的な遺伝子組換え法を開発した。実用品種は通常年一化性(休眠卵)であり、遺伝子組換えを行う際には、卵を非休眠化する必要があるが、従来法では低効率であった。今回、抗休眠ホルモン抗体を蛹に投与することで、安定的な卵非休眠化の誘導と高い卵孵化率を得ることに成功した。この方法により、実用品種を直接遺伝子組換えすることが容易となり、遺伝子組換え系統の育種期間を数世代短縮できる。
3.絹タンパク質の生産能向上に関わる遺伝子の機能解析において、カイコの中部絹糸腺では転写因子Antennapediaが、後部絹糸腺では転写因子Arrowheadが、それぞれ主要な絹タンパク質遺伝子の発現制御に機能していることを明らかにした。これらの転写因子を強 制的に働かせることで、有用タンパク質や遺伝子組換え高機能シルクの生産量の向上が期待できる。
4.遺伝子組換えカイコによる有用タンパク質生産では、産学官連携で様々なタンパク質の生産・評価・利用法の開発が進んだ。例えば、動脈硬化に関わる酸化LDLや糖尿病血管障害を起こす終末糖化産物の受容体タンパク質をカイコで発現させ、受容体を用いた簡便 な検出法が開発された。機能性食品の動脈硬化や糖尿病血管障害の予防効果の評価等への利用が可能である。
5.遺伝子組換えカイコの第一種使用等(拡散防止措置を執らずに行う使用等)での飼育実験を群馬県で開始した。緑色蛍光タンパク質含有絹糸を生産するカイコについて、生物研で昨年に続き飼育実験を行うとともに、群馬県研究施設の隔離飼育区画で、より養蚕農家に近い環境及ひ゛方法て゛の飼育実験を開始し、生育や行動の特性評価を行い、生物多様性影響評価等のテ゛ータを収集した。モニタリングでは、カイコと近縁野生種クワコとの交雑個体は見つからなかった。遺伝子組換えシルクの大量生産体制の確保と商品化の実現が期待される。
6.新たに橙色蛍光タンパク質含有絹糸を生産するカイコ等の3種類の遺伝子組換えシルク系統について、第一種使用等規程の承認申請を行った。数年内に養蚕農家での遺伝子組換えカイコの飼育が開始され、各種高機能シルクの生産と商品化の拡大につながることが期待される。
カテゴリ 育種 カイコ 機能性食品 品種 モニタリング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる