課題名 |
飼料用米の省力低コスト多収栽培技術の確立 |
研究機関名 |
宮城県古川農業試験場
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研究分担 |
水田利用部
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研究期間 |
継H26~28 |
年度 |
2015 |
摘要 |
<目的>、水田フル活用と米政策の見直しにおいて飼料用米の推進が掲げられ,本県においても3,000ヘクタールを目標に推進されている。これまでは,主食用品種での対応が多かったが,新たな対策は数量支払いであるため,収量の確保や専用品種の導入が求められている。省力・低コストを考慮した専用品種での多収穫栽培法について検討する。、<成果>、1)東北211号への「ベタ掛け乳苗」技術の導入は可能であり,「堆肥100kg/a(春散布)+基肥窒素成分量0.5kg/a」又は「基肥窒素成分量0.7kg/a」と「減数分裂期追肥窒素成分量0.4kg/a」の組み合わせが,玄米タンパク質含有率が高めで安定的に多収を得られる施肥法と考えられた。乳苗の疎植栽培(13.8株/㎡(45株/坪))により,省力低コスト化が可能であった。現地試験では、「夢あおば」及び「東北211号」ともに「ベタ掛け乳苗」技術の導入は可能であり,慣行(稚苗)より出穂期は3~4日,成熟期は4~6日遅くなったが,「夢あおば」及び「東北211号」ともに慣行(稚苗)と同等の多収(70kg/a以上)が得られた。、2)乾田直播栽培では、出芽後の高温小雨による乾燥害と鳥による出芽苗の引き抜き及び生育中のほ場内の漏水がひどく収量は大きく減収した。「夢あおば」は倒伏はみられなかったが,目標収量を確保できた区はなく,追肥の効果は判然としなかった。「東北216号」は千粒重は31gと大きく,タンパク質含有率は7.5%と高かった。第Ⅲ節間長が長かったが,倒伏はみられなかった。、湛水直播栽培では、「夢あおば」は倒伏はみられなかったが,目標収量を確保できた区はなく,粗玄米重は65.0~68.4㎏/a程度となった。追肥の効果は減分期が有望であった。「東北216号」は,第Ⅰ節間長が長く穂を含めた全長が長いため,穂の重さと相まって倒伏し倒伏程度は大きく,目標収量を確保できた区はなかった。追肥の効果は出穂期が有望である。、3)東北211号及び夢あおば,ふくひびきでの温湯消毒は,ひとめぼれと発芽率に大差なく温湯消毒技術の導入は可能であった。東北211号の加温出芽との組合せによる露地育苗は,5月中旬播種で安定的に目標とする草丈が確保できた。、4)コンバイン収穫が可能となる時期(刈取早限:籾水分25%)は,出穂期以降の積算平均気温が 1,250℃となる日(出穂後66日頃)以降であった。出穂期以降の積算平均気温が1,600℃となる日(出穂後98日頃)の籾水分は18%であったが,刈取晩限は,鳥害等が気にならない11月上旬と考えられた。
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