| 課題名 | (2)次世代水産業及び他分野技術の水産業への応用のための研究開発 |
|---|---|
| 課題番号 | 2019030641 |
| 研究機関名 |
水産総合研究センター |
| 協力分担関係 |
(国研)理化学研究所 (国研)海洋研究開発機構 岩手県水産技術センター 宮城県水産技術総合センター 福島県 東京大学 東京海洋大学 沖縄科学技術大学院大学学園 マルハニチロ株式会社 株式会社南日本情報処理センター |
| 研究期間 | 2016-2020 |
| 年度 | 2019 |
| 摘要 | ・オーミクス情報データベース(水産生物のゲノム情報や遺伝子発現情報等のオーミクス情報を格納したオンライン型データベース)ついては、新たにノリ及びスジアラのゲノム情報、マサバやサンマ等19種の遺伝子配列等の情報を登録してデータベースの拡充を行った。また、ユーザーへのパスワード発行や登録データの閲覧、ダウンロード等を行うなどの試験運用を開始した。 ・育種については、ゲノム情報を用いた手法によって、ウナギでは個体が持つ遺伝のしやすさを表す指標となる育種価の予測精度が従来よりも30%向上することが分かった。 ・アコヤガイでは貝殻真珠層の結晶層の厚さに基づいたピース貝の選抜により、生産される真珠の結晶層の厚さをある程度コントロールできること、この結晶層の厚さが真珠の販売価格に大きく影響することなど、ゲノム情報を用いた育種手法の開発に必要な基礎情報を得ることができた。 ・環境診断・修復技術については、培養した珪藻(Chaetoceros tenuissimus)のメタボローム解析(代謝産物の網羅的解析)により、赤潮終息マーカー候補を見出した。今後の追加試験による検証が必要であるものの、この代謝産物を指標に用いた現場実証試験により、一週間後の赤潮終息が70%程度の確率で予測できた。また、有害赤潮プランクトンのカレニア・ミキモトイについては、窒素またはリン欠乏状態(赤潮終息期)で発現量が変動する遺伝子を複数同定したことから、今後赤潮動態マーカーとしての有効性が期待される。さらに、電位差を利用した底質環境の健全度をリアルタイムで検出・通報するシステムの構築を進めた。 ・その他、オーミクス技術を用いた新規魚類用飼料の有効性評価、新たな手法による環境DNA解析の精度向上、メタゲノム解析による天然ウナギ仔魚の消化管内容物の分析やトラフグ人工種苗と放流魚の腸内細菌叢の比較等を実施した。 ・日本沿岸における急潮について、発生頻度の将来予測に加え、急潮の発生時期や発生期間の長さの変化についても将来予測を実施した。その結果、2100年には急潮の発生確率が最大となる季節が現在から変化し、特に常磐海域と道東太平洋岸では現在から4ヶ月程度遅れること、全国レベルでは急潮の発生しやすい期間が拡大することを明らかにした。また、これらの結果を平易に理解可能な図を作成して国立環境研究所が公開している気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)へ移管した。 ・CO2及び栄養塩循環の変動に関して、日本周辺海域の海洋表層二酸化炭素濃度と栄養塩濃度のモニタリング結果について国際データベースThe Surface Ocean CO? Atlas (SOCAT)を通じて公表するとともに、そのデータを用いた地球表層CO2収支の高精度算定結果を論文として公表した。 ・海洋貧酸素化問題に関しては、外洋域および陸棚域における貧酸素化進行速度の経年変動に関する解析結果を論文として発表した。 ・沿岸の温暖化問題については、三陸沿岸域の水温・栄養塩環境の将来変動がワカメ養殖に与える影響を分析した。その結果、今世紀中旬には春の栄養塩枯渇時期が顕著に早期化するとともに、今後は年とともに栄養塩の枯渇・上昇する時期の変動が激しくなるため、ワカメの作付け時期の判断が困難になることが推測された。 ・平成30年度までに実施した海洋生物への海洋酸性化影響評価結果(キタムラサキウニの幼体では二酸化炭素濃度1000 ・オーミクス情報データベース(水産生物のゲノム情報や遺伝子発現情報等のオーミクス情報を格納したオンライン型データベース)ついては、新たにノリ及びスジアラのゲノム情報、マサバやサンマ等19種の遺伝子配列等の情報を登録してデータベースの拡充を行った。また、ユーザーへのパスワード発行や登録データの閲覧、ダウンロード等を行うなどの試験運用を開始した。 ・育種については、ゲノム情報を用いた手法によって、ウナギでは個体が持つ遺伝のしやすさを表す指標となる育種価の予測精度が従来よりも30%向上することが分かった。 ・アコヤガイでは貝殻真珠層の結晶層の厚さに基づいたピース貝の選抜により、生産される真珠の結晶層の厚さをある程度コントロールできること、この結晶層の厚さが真珠の販売価格に大きく影響することなど、ゲノム情報を用いた育種手法の開発に必要な基礎情報を得ることができた。 ・環境診断・修復技術については、培養した珪藻(Chaetoceros tenuissimus)のメタボローム解析(代謝産物の網羅的解析)により、赤潮終息マーカー候補を見出した。今後の追加試験による検証が必要であるものの、この代謝産物を指標に用いた現場実証試験により、一週間後の赤潮終息が70%程度の確率で予測できた。また、有害赤潮プランクトンのカレニア・ミキモトイについては、窒素またはリン欠乏状態(赤潮終息期)で発現量が変動する遺伝子を複数同定したことから、今後赤潮動態マーカーとしての有効性が期待される。さらに、電位差を利用した底質環境の健全度をリアルタイムで検出・通報するシステムの構築を進めた。 ・その他、オーミクス技術を用いた新規魚類用飼料の有効性評価、新たな手法による環境DNA解析の精度向上、メタゲノム解析による天然ウナギ仔魚の消化管内容物の分析やトラフグ人工種苗と放流魚の腸内細菌叢の比較等を実施した。 ・日本沿岸における急潮について、発生頻度の将来予測に加え、急潮の発生時期や発生期間の長さの変化についても将来予測を実施した。その結果、2100年には急潮の発生確率が最大となる季節が現在から変化し、特に常磐海域と道東太平洋岸では現在から4ヶ月程度遅れること、全国レベルでは急潮の発生しやすい期間が拡大することを明らかにした。また、これらの結果を平易に理解可能な図を作成して国立環境研究所が公開している気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)へ移管した。 ・CO2及び栄養塩循環の変動に関して、日本周辺海域の海洋表層二酸化炭素濃度と栄養塩濃度のモニタリング結果について国際データベースThe Surface Ocean CO? Atlas (SOCAT)を通じて公表するとともに、そのデータを用いた地球表層CO2収支の高精度算定結果を論文として公表した。 ・海洋貧酸素化問題に関しては、外洋域および陸棚域における貧酸素化進行速度の経年変動に関する解析結果を論文として発表した。 ・沿岸の温暖化問題については、三陸沿岸域の水温・栄養塩環境の将来変動がワカメ養殖に与える影響を分析した。その結果、今世紀中旬には春の栄養塩枯渇時期が顕著に早期化するとともに、今後は年とともに栄養塩の枯渇・上昇する時期の変動が激しくなるため、ワカメの作付け時期の判断が困難になることが推測された。 ・平成30年度までに実施した海洋生物への海洋酸性化影響評価結果(キタムラサキウニの幼体では二酸化炭素濃度1000 ?atm以上で成長遅滞する)を北太平洋海洋科学機関(PICES)の酸性化特別レポートを通じて公表した。 ・匠の技データベースに関しては、最近の培養技術を反映させた電子マニュアルを作成した。この最新電子マニュアルと匠による実作業の動画と音声解説、さらに旧版のマニュアルを電子化し、データベースに登録した。最新電子マニュアルをベースとし、動画、音声、旧マニュアルの関連箇所をデータベース上でリンクさせ、匠の技データベースのプロトタイプとして構築した。 ・操船シミュレータで計測した調査船船長の衝突回避操船の分析を行い、船長ごとに異なる「距離」又は「衝突までの余裕時間」に基づいて避航開始を判断していること、自船の長さが避航開始距離に関係していることを明らかにした。 ・漁業担い手問題については、平成30年度に実施した調査の解析を終え、漁業就業に関心の高い新規就業者、転職者の特徴(若い、子供がいない等)を明らかにした。 ・新規就業者の受け皿の一つである水産の6次産業事業について調査を行い、成功事例では多角経営によるシナジー効果や、複数の経営体による集積の経済性が発揮されていることがわかった。また、新規就業者のための経営モデルを構築し、この内容を含んだガイドブック「しもきた漁師スタートブック」を作成した。 ・我が国の魚類養殖の生産性向上と輸出拡大のためには、適切な飼育管理によるコスト削減やトレーサビリティの確保、適切な出荷計画による売上増大などが必要である。そこで、鹿児島県のブリ養殖業者を対象として、養殖現場で容易に飼育尾数や魚体長、給餌量、投薬量、水温環境データおよび生簀移動履歴などを入力し、導入から出荷までリアルタイムに生産情報を管理できるタブレット端末用アプリ(生産管理クラウドシステム)を開発した。 ・水素燃料養殖作業船については、模型船を用いた新型船型の運動性能試験、安全性能試験を実施し、改良船型を決定した。また、現地アンケート調査結果から搭載する漁労機器の仕様や配置を決めるとともに、水素タンク容量や本数等の検討を行って基本仕様を決定した。また、実際に搭載する各種装置の形状や重さを設定した詳細設計を開始した。 〔アウトカム〕 ・オーミクス情報は、機構が実施する他の研究開発課題に積極的に受け渡しされており、重点研究課題1の系群推定や親魚量推定、重点研究課題2の魚病研究や新規飼料開発等に幅広く活用されている。 ・電位差を用いた漁場の底質環境の健全度をリアルタイムでモニタリングするためのシステムの構築に向けて、民間企業と協議中であり、養殖現場での実証試験を令和2年3月から開始した。 ・平成30年度までに公表した富山湾周辺域における急潮発生機構の解析結果が、石川県・富山県における急潮予報の検討資料として採用され、両県における急潮発生予報の精度向上に貢献した。 ・日本沿岸における急潮の将来予測に関するデータは気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)で令和2年度公開予定となっている。また急潮情報は地方自治体・漁業者等の急潮対策(定置網等)への活用が期待される。 ・世界のCO2排出量に関する成果について、令和元年12月4日にプレスリリース「世界の排出量は3年連続で増加するも、増加率は低下の見通し~国際共同研究(グローバルカーボンプロジェクト)による評価~」を行った。 ・これまでに得られた海洋酸性化の影響評価に関する成果を基に、後継の課題(科学研究費補助金基盤B「海洋酸性化か?沿岸生物の世代交代、群集・個体群構造に及ほ?す長期影響評価」)が採択され、より長期の飼育実験を開始した。 ・作成したガイドブック「しもきた漁師スタートブック」を下北地域県民局地域農林水産部むつ水産事務所より、下北地域の漁協、市町村、へ配布するとともに、県内や東京で開催される漁業就業フェアでも使用された。今後、八戸水産高校や全国漁業就業者確保育成センターにも配布する。 養殖ブリ生産管理クラウドシステムは、鹿児島県内の養殖業者の約7割に普及し活用されており、他県での導入も検討されている。 |
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