課題名 | 家畜ふん堆肥の燃料化による環境負荷低減技術の研究 |
---|---|
研究機関名 |
茨城県畜産センター |
研究分担 |
畜産センター |
研究期間 | 完(28~31) |
年度 | 2019 |
摘要 | [背景・目的] 畜産経営の専業化,経営規模の拡大が進んだことにより,家畜排せつ物を地域内のみでの利活用することが困難なケースが多く,広域的な流通が必要となったほか,燃料利用など農業以外での新たな利活用方法の検討が求められている。 家畜ふん堆肥を燃料化する上での課題として,水分の低減技術と燃焼灰の利用方法があげられる。そこで本研究では,畜産センター内に設置した無煙小型燃焼機を使用し,燃焼による家畜ふん堆肥の減量化と熱エネルギー回収利用,及び燃焼灰の肥料効果について検討し,環境負荷低減技術の確立を図る。 [方法] Ⅰ低コスト水分低減化技術の検討(平成28,29年度) 夏・冬期における切り返し等による水分低減化方法とボイラー排熱利用による水分低減化方法を比較し,時期毎の堆肥乾燥効率を検証する。 Ⅱ燃焼熱利用システムの構築(平成29~31年度) 小型燃焼機―温水機を用い,燃焼による堆肥の減容化及び燃焼熱を利用した温水循環システムの構築を行う。 Ⅲ燃焼灰利用方法の検討(平成30,31年度) ポット試験により,燃焼灰の肥料効果及び土壌改良効果について検討する。 [成果・評価] 密閉縦型発酵処理施設で発酵処理された豚ぷん堆肥は,木質資材と混合して燃焼させることで,重量ベースで90%以上の削減が可能であることが分かった。また,窒素ベースでも95%以上が削減可能である。燃焼灰は,過リン酸石灰に比べて若干肥効が劣るもののリン酸源として肥料利用が可能であることから分かった。 以上のことから,豚ぷん堆肥の燃焼利用は,養豚業が盛んな地域において,圃場への還元される余剰窒素量の低減が可能であり,環境負荷低減に有用な手法の一つであるといえる。 |
カテゴリ | 環境負荷低減 乾燥 経営管理 低コスト 土壌改良 豚 |