課題名 | 5.気候変動の影響評価と適応のための果樹栽培技術の確立 2)気候変動に適応した技術の開発 |
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研究機関名 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究分担 |
果樹部 |
研究期間 | 令元~令5 |
年度 | 2019 |
摘要 | 2)-1品種の育成①本県特産カンキツの優良系統の育成過年度にヒュウガナツの交配によって獲得された三倍体及び四倍体の接ぎ木個体を作成し、単幹仕立てに育成中である。②落葉果樹の優良系統の育成「シャインマスカット」と「キャンベルアーリー」の交配を行い、種子親が「キャンベルアーリー」の場合は、150個の完全種子を獲得できた。また、遺伝子型解析より「キャンベルアーリー」はE1E2、「シャインマスカット」はAAと推測でき、農研機構の報告と一致する結果となった。 2)-2栽培技術の開発 ①温州ミカンの高品質安定生産技術の開発簡易土壌水分計の設置方法を検討し安定動作できる手法と設置深度は15~25cmまで対応できることを確認した。簡易土壌水分計の指示値により、土壌水分と樹体への水分ストレスを把握できることを確認した。根域制限シートマルチ栽培では収穫後の樹勢回復が重要であるため各種葉面散布剤を7日おきに6回処理を行った結果、尿素等を散布することで散布期間中に樹体窒素含量の向上等が確認された。マルチ資材の検討についてはタイベックシート760AGが水分ストレス付与の面と耐久性に有利であることが示唆された。遮光資材による温州みかんの日焼け発生抑制については、日焼け果の発生率は、無処理では約15%程度であるが、各遮光資材被覆下では4%以下に低下し、遮光資材の種類による発生率に大きな差は見られなかった。 ②種なしキンカン高品質安定生産技術の開発施設栽培において、秋季が暖かく前年度よりも果実の階級がSとMの割合が減り、Lと2Lの割合が高くなった。露地栽培の種なしキンカン「宮崎夢丸」において、ポットのまま定植した樹では、無処理に対して明らかに着果が多くなった。 ③ブドウの着色向上技術開発「ピオーネ」において、満開後30日後に、環状剥皮を2cm幅で行うことで無処理区よりも有意に着色が向上した。「サニールージュ」において、昼間に果房散布または、夕方に散水を行うことで、着色が向上する傾向がみられた。 ④ナシの生理障害対策技術開発PC6台、PC8台及びヤマナシ台「幸水」の定植2年目の生育には、台木の違いによる新梢数は差異は見られなかった。新梢長平均は、PC6台が最も長かった。また、施肥時期の違いによるナシの生育状況については、新梢長及び新梢数、幹周において、秋肥区は春肥区に比べ良好であった。 ⑤モモ施設栽培における安定生産技術開発「さくひめ」の施設栽培における仕立て方法の検討については、無加温栽培において、一文字及びジョイント栽培の収穫は5月下旬から始まった。果実品質は、一文字仕立てがやや高くなる傾向が見られたが、果実重量に大きな差は見られなかった。「さくひめ」の低温要求量の解明については、7.2度以下の低温遭遇時間450時間、550時間では、最終的な開花率は変わらないものの、低温遭遇時間が長いほど開花が促進される傾向にあった。 |
カテゴリ | 温州みかん きんかん 栽培技術 施設栽培 樹勢回復 生理障害 施肥 台木 接ぎ木 日焼け果 日向夏 品種 ぶどう もも その他のかんきつ |