| 課題名 | 薬剤抵抗性病害虫の早期診断と発生防止技術の開発 |
|---|---|
| 研究機関名 |
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能部門 遺伝子利用基盤研究領域 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き部門 野菜病害虫・機能解析研究領域 |
| 協力分担関係 |
民間(3) 公設試験研究機関(5) 独法・国研等(3)(うち海外2) |
| 研究期間 | 2016-2020 |
| 年度 | 2020 |
| 摘要 | より迅速かつ簡易に圃場における抵抗性発達レベルの判定が可能となるよう改良したLAMP 法によるチャノコカクモンハマキのテブフェノジド抵抗性の遺伝子診断法を開発し、ガイドライン案の別冊解説書及び遺伝子診断法実験解説動画を作成した。 薬剤抵抗性農業害虫管理のためのガイドライン案の検証と改良については、岩手県において、本ガイドライン案に基づいた抵抗性コナガの防除体系(使用薬剤)の検討とコナガの大規模診断技術による抵抗性発達程度の検証により、同県が進める 30 日ブロックローテーションの有効性が示された。北海道でも本ガイドライン案記載の遺伝子診断技術を用いた防除体系の有効性の検証が始まり、ジアミド剤使用方法(灌注剤・散布剤)に関して技術的にサポートするなど、2 道県へのガイドライン案の着実な普及を行った。さらに、九州各県からの要望を取り入れたイネウンカ類の薬剤感受性検定法の動画版を作成し、ウエブ配信による視聴を可能とした。併せて、ガイドライン案の普及のため、薬剤抵抗性の発達過程を解説した動画も公開した。 イネウンカ類に関しては、ジノテフラン等5種の薬剤に対するイネウンカ類九州個体群の 感受性を明らかにして、九州地域の公設試験研究機関に情報を提供した。さらに、ジノテフラン抵抗性の遺伝様式が不完全優性で量的遺伝であることを明らかにした。また、薬剤感受性検定マニュアルに掲載された半数効果薬量の計算式を改良するとともに、ベトナム語に翻訳し、発生地における抵抗性モニタリング体制の確立に向け、現地での利用を可能とした。 上記実績に加え、農業情報研究センターと連携して、AI による抵抗性予測について、学習データに含める SNP 数の調整により予測精度が向上することを確認し、害虫 2 種(チャノコカクモンハマキとトビイロウンカ)に応用した。また、ネギアザミウマを対象に、RNA 干渉による遺伝子発現の抑制を実現し、コナガ及びネギアザミウマについては、複数薬剤抵抗性の遺伝子診断の大規模遺伝子診断法のプロトタイプとして、ゲノム・変異情報及び解析ツール等を集約したLinux 用解析パッケージを構築した。 さらに、現場で利用可能な遺伝子診断法の利用促進にむけて、ネギアザミウマのピレスロイド抵抗性、トビイロウンカのイミダクロプリド抵抗性、セジロウンカ・ヒメトビウンカのフィプロニル抵抗性の各遺伝子診断法について LAMP 法による簡易化、コナガのシアントラニリプロール抵抗性のマルチプレックス PCR 法について精度向上の改良をそれぞれ行い、野外個体群及び室内個体群により有効性を確認した。 また、ナミハダニのミトコンドリア電子伝達系複合体 II(SDH)阻害剤 3 種の抵抗性原因変異を同定し、トビイロウンカのイミダクロプリド抵抗性原因遺伝子を同定して遺伝子診断法を開発し、論文として公表した。 ギアザミウマのスピノシン抵抗性遺伝子について、抵抗性発達を回避する方法を室内及び野外(三重県農業研究所)で検証し、生産現場で連用を避ける指導の妥当性を裏付けるデータを得た。さらに、過去のネギアザミウマに対する薬剤感受性検定(室内)に関する国内論文の網羅的解析に基づくメタアナリシスにより、IRAC 分類ごとの殺虫効果オッズ比によるランキングにより薬剤抵抗性リスクを数値化し、長期的な抵抗性のリスクを推定できるデータ駆動型普及支援技術を開発し、抵抗性発達が生じにくい薬剤ローテーション戦略の提言を可能とした。 |
| カテゴリ | 害虫 診断技術 抵抗性 抵抗性遺伝子 ねぎ ヒメトビウンカ 防除 モニタリング 薬剤 |