課題名 | (イ)未利用木質資源の有用物質への変換及び利用技術の開発 |
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研究機関名 |
国立研究開発法人森林研究・整備機構 研究ディレクター |
研究期間 | 2016-2020 |
年度 | 2020 |
摘要 | 多糖成分等を利用した高機能・高付加価値材料の開発に関して、疎水性の合成樹脂と親水性のセルロースの複合化において、セルロースの分散性を改良するため、シランカップリング剤を用いた気相コーティング法によってセルロースの表面を疎水化し、その物性を明らかにした。これは海洋プラスチック問題への対応に向け、セルロース材料の高性能化につながる成果である。 リグニンの高度利用技術の開発に関して、生分解性プラスチックの開発を目的として、PETボトル素材を代替できる有用化合物(PDC)へ変換可能な低分子化リグニンをアルカリ空気酸化蒸解により木材リグニンに対して30%以上の収率で製造できる分解条件を確立した。また、針葉樹で15種類、広葉樹で11種類のリグニン由来低分子化合物の構造を明らかにするとともに、それらを94%の効率でPDCへ変換できる微生物の培養系を確立した。 機能性抽出成分の抽出・利用技術の開発に関して、未利用資源の有効利用を図るために、シリカ素材の多孔質中空カプセルを用いてスギ合板乾燥廃液成分をマイクロカプセル化し、木材用塗料と混合して二酸化窒素除去能が持続する塗料を開発した。また、シラカンバ等の広葉樹を原料とした木の酒製造技術の開発では、高濃度で生成するアセトアルデヒドを酸化防止剤や蒸留分画により低減する方法を開発するとともに、香り成分をモニターすることにより、製造方法を最適化した。 |
カテゴリ | 香り成分 乾燥 機能性 高付加価値 未利用資源 |