開花期の気温および水分環境等の変化がウメの果実生産に及ぼす影響の解明

課題名 開花期の気温および水分環境等の変化がウメの果実生産に及ぼす影響の解明
研究機関名 和歌山県農業試験場暖地園芸センター
研究期間 新R3~7
年度 2021
摘要 [目的]
水分ストレスが果実肥大および花芽生育に及ぼす影響を明らかにするとともに、ウメ産地の4つの土壌タイプ別に果実肥大や花芽生育に対するかん水の影響を調査する。また、「南高」および「NK14」を対象に、開花前の高温が花器および着果に及ぼす影響を明らかにするとともに開花前の高温が翌年度以降の樹体へ及ぼす影響を明らかにする。
[成果]
①露地「南高」成木において4月上旬から5月中旬まで乾燥ストレスを与え、その後収穫前まで多かん水を行うと自然降雨と同程度の肥大をさせることができ、落果も発生しないことが確認された。
②1回のかん水量を雨量換算で0、5、10および20mm行った場合、20mmで果実肥大量が大きくなる傾向であった。
③13年生「南高」において、pF計の値が2.7になった時点でかん水を行った結果、岩屑土では着果および樹体生育が抑制される傾向にあった。一方で灰色低地土では肥料を半減しても収量および樹体生育で他の土壌と比べて差がなかったことから、減肥が可能と判断された。
⑤「南高」において、施肥量が不足した樹体や日照が不足した樹体を開花前の高温条件に置いた場合、不完全花の発生に加えて、花数も減少することが明らかとなった。
⑥「南高」および「NK14」について昨年度の加温処理で不完全花が多発し収量が少なくなった樹体で、本年度でも1年枝のうちの結果枝が占める割合の減少や細根中の貯蔵デンプンの減少が明らかとなった。
⑦⑤、⑥から肥料や日照の不足で樹体養分が少ない樹では開化前の高温の影響をより強く受けると判断された。また、開化前の高温は翌年度以降にも影響があると判断された。
カテゴリ 肥料 うめ 乾燥 施肥

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