作期分散が可能な大豆品種の選定と大豆・麦類安定多収栽培技術の開発

課題名 作期分散が可能な大豆品種の選定と大豆・麦類安定多収栽培技術の開発
研究機関名 佐賀県農業試験研究センター
研究分担 作物部
研究期間 継R2~R6
年度 2021
摘要 目的:
本県の大豆栽培においては、播種期の降雨による苗立不良や播種遅れ、生育初期から着莢期頃にかけての長期の干ばつや短期間の大雨などの極端な気象条件による生育量不足や着莢数の減少が問題となり、収量が低迷している。そこで、早期播種を基軸とし、適正品種と排水対策技術や様々な播種方式を組み合わせた栽培試験において、土壌分析、土壌水分、地温及び地上部生育データ(NDVI、収量構成要素等)等を測定し、気象や土壌条件の違いと生育・収量との関係を明らかにする。
成果:
1. 作期分散可能な大豆品種の選定では、6月下旬播種で、安定生産が期待できる系統として「九州185号」、「西系24」、「関東140号」が有望であった。しかし、倒伏や品質面で課題が残った。
2.早播栽培技術の確立
 6月29日に「九州185号」を供試し、播種方式2水準(うね立て同時播種、事前うね立て播種)を設定し、7月15日播種の「フクユタカ」(正転二工程播種)を対象として、栽培試験実施した。この結果、6月29日播種「九州185号」では、苗立ちや初期生育は良好であったが、開花期前の大雨による倒伏が発生した。面積当たりの莢数は多いが、1莢粒数は少なく、収量は同等であった。播種様式の比較では、事前うね立てで苗立数が多く、生育前半のNDVIも高く推移したが、成熟期の莢数や収量に有意差は認められなかった。また、明渠及び圃場内に削溝した通水溝を利用した灌水処理が生育及び収量に及ぼす影響を検討したが、通水溝に近い灌水区①が通水溝から遠い灌水区②と比較して、面積あたり莢数が多く、収量も多くなった。本年は播種後に降雨が少なく乾燥傾向であったが、8月は11~14日に豪雨があり冠水するなど降水量は平年の5倍(1,220mm)と非常に多かった。開花期にあたる8月下旬には十分な降雨があり、この時期の灌水処理の効果は低かったと考えられる。9月2~5半旬の降水量は平年より少ないものの9月5半旬まで断続的に降雨がみられた。一転して9月6半旬から収穫時期までは降雨が少なく、干ばつ傾向となった。10月には灌水処理を行った圃場においても、通水溝から1.5m離れた条間では通水溝の直横よりも地下水位の低下が大きい傾向がみられた。
カテゴリ 乾燥 栽培技術 大豆 多収栽培技術 播種 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる