課題名 |
ナラ類集団枯損に関連する菌類の生理学的性質の解明(664) |
課題番号 |
535 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
関西・樹病研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
ナラ類集団枯損において樹木の萎凋枯死を引き起こす病原菌であると推測されている糸状菌(「ナラ菌」と仮称する)の生理について検討した.ナラ菌の成長適温は,菌糸体の乾燥重量を指標とすると20~25℃であると推定された.また,寒天培地上での菌糸成長の速さを指標とすると,ナラ菌の成長適温は25~30℃であると推定された.各温度における菌糸成長の速さには菌株によって大きな変異があり,ナラ菌の生理は菌株によってかなり異なる可能性が示唆されたが,菌株の産地やそこでの気候などとの関連は明確でなかった.ポテトデキストロース寒天,麦芽寒天,コーンミール寒天の3種の寒天培地のうち,ナラ菌成長に最も適していたのはポテトデキストロース寒天培地であった.ミズナラ苗木の辺材・内樹皮それぞれの熱水抽出物を寒天培地に添加すると,いずれも菌糸成長の速さにはあまり影響しないが,成長を阻害することはなく,菌糸体の収量は増加する傾向が見られた.すなわち,材の抽出物はナラ菌の栄養となりうること,熱水抽出物には抗菌性がないことが示唆された.ミズナラ苗木中でのナラ菌の軸方向への菌糸成長の速さは,25℃において約8.3mm/dayであった.しかし,この値についてはさらに検討する必要がある.
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カテゴリ |
乾燥
管理技術
経営管理
レタス
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