課題名 |
水稲における炭水化物・窒素の代謝・転流・蓄積過程の生理生態学・分子生理学的解明(100) |
課題番号 |
87 |
研究機関名 |
北陸農業試験場
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研究分担 |
地域基盤・物質代謝研
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研究期間 |
完8~13(12) |
年度 |
2000 |
摘要 |
多収性水稲品種の登熟不良の問題を改良するため、特に多穎果数条件での登熟性に関与する生理生態的特性を明らかにする事を目的に行った。穎花数が多く登熟性の異なる2品種(登熟良:タカナリ、登熟不良:アケノホシ)と対照のコシヒカリの開花・出穂特性や乾物生産特性を調べ、登熟の良否との関係を検討した。アケノホシは、タカナリとほぼ同じ■籾数レベルだが、10mg以下の穎果が多く生じ、登熟の初期段階に制限要因があるものと推察された。登熟初期の養分競合を調べるため、分げつの出穂および穎花の開花の進行を調査したところ、アケノホシと比較して、タカナリは出穂および開花が分散して進行した。この開花・出穂特性と強勢穎果の粒重増加曲線から、開花日以後の穂の潜在的ソース要求パターンを推定すると、タカナリでは要求量のピーク値が低く、かつ分散が大きいのに比べて、アケノホシではピークが高くて分散が小さく、この時期の養分競合が大きいと推察された。更に、この時期のソース供給量は登熟程度と強い正の相関関係を示した。以上より、穎花数の多い条件では、開花・出穂が分散し、ソース要求のピークが低いほど登熟に有利であると考えられる。今後は新規経常課題の中で、登熟に関与する遺伝子座解析と組み合わせて解析し、これらの性質を決定する遺伝的要因を明らかにする。
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カテゴリ |
水稲
多収性
低コスト
品種
良食味
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