CO2倍増時における水稲の登熟性の品種間差(103)

課題名 CO2倍増時における水稲の登熟性の品種間差(103)
課題番号 90
研究機関名 北陸農業試験場
研究分担 地域基盤・物質代謝研
研究期間 完9~12
年度 2000
摘要 産業革命以来、地球上のCO2濃度は急激に上昇を続けており、環境への影響が懸念されている。このことが水稲品種の登熟性や食味に及ぼす影響を、岩手県雫石町のFACE (Free Air CO2 Enrichment)実験施設を用いて調べた。登熟の調査では、あきたこまち、ふくひびき、奥羽342号、岩南7号の4品種を使用し、このうち奥羽342号で登熟歩合が著しく向上した。この理由は、二次枝梗の不稔粒の減少だった。この品種はシンクに対してソースの割合が低く、高CO2処理によりソース能力が向上したため登熟性が向上したと考えられる。また、ハトムギを基準として、稲の13Cの分別を測定し、これをもとに葉内外のCO2分圧の比を算出したところ、高CO2処理により低下した。このことは、高CO2処理で気孔が閉じ、水利用効率が向上したことを示唆している。更に、食味試験を行ったところ、1999年には、FACE処理区の米の方が対照区に比べて有意に良食味であるという結果が得られ、有意ではないが2000年にも同様の結果が得られた。この研究により、高CO2が水稲の食味及び水利用効率に及ぼす影響及び、高CO2に対する反応性の品種間差が明らかになり、今後の水稲によるCO2吸収の促進に貢献できると思われる。
カテゴリ 水稲 低コスト はと麦 品種 良食味

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