斜面スケールでの水分環境変動と主要元素の動態の解明

課題名 斜面スケールでの水分環境変動と主要元素の動態の解明
課題番号 2001001040
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 立地環境研究領域 土壌特性研究室
森林総合研究所 九州支所 森林生態系研究グループ
森林総合研究所 四国支所 森林生態系変動研究グループ
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1 森林土壌における生物地球化学的プロセスによる主要元素の挙動、収支、ならびに風化により土壌、母材より放出される主要元素の動態、収支を解明するため、1)粉末プレス法を用いた蛍光X線分析による土壌、岩石試料の元素組成の測定条件を検討し、分析手法を確立する。2)年間を通じた土壌水分フラックスを測定することができるテンシオメータとTDR土壌水分計を組み合わせた土壌水分変動の計測手法を開発するとともに、ポーラスプレートを用いたテンションライシメータによる土壌水分フラックスの測定法を検討する。 2.当年度の試験研究方法 1)土壌、岩石試料の粉砕方法、試料の量、プレス機の圧力と時間、圧力の解放条件、バインダー使用の有無など、ペレットの作製条件を検討した。さらに、確立された手法によって作成した標準試料のペレットを用いて検量線を作成し、その結果をもとに黒雲母片岩の土壌-風化層断面における元素組成を測定した。 2)茨城県東茨城郡桂村の桂試験地において、斜面上部、中部、下部の3地点にテンシオメータ、TDR土壌水分計、ポーラスプレートテンションライシメータをそれぞれ設置し、含水率、水分ポテンシャルの計測を開始した。 3 1)蛍光X線分析における粉末プレス法による試料の作成手法として以下の条件を確立した。土壌や岩石試料を振動粉砕器や自動メノウ乳鉢により微粉砕後、105℃で24時間乾燥させた。デシケータにて冷却した試料を約 5g秤量し、アルミニウムリングに充填した後、20tの圧力で1分間加圧した。圧力の解放を徐々に行うことによって破損を起こすことなく堅い粉末ペレットが作成できることを明らかにした。この手法によって作成した標準岩石試料など標準物質のペレットを用いて検量線を作成した。得られた検量線は直線性が高く、定量分析に十分な精度を有していた。従来のガラスビード法に比べると、800℃以上の高温で結晶水を除去する必要のないこと、ホウ酸リチウムなどの薬品を用いないこと、溶融を行わないで良いこと、これらの手順の簡略化により迅速かつ安価であることなど、多くの点で粉末プレス法は優れており、少なくとも主成分については十分な精度を確保できることが明らかになった。 2)テンシオメータは冬季の凍結によって圧力センサーが破損するため、通年の土壌水分ポテンシャルの自動計測が不可能である。一方、TDR土壌水分計は冬季でも体積含水率の測定が可能である。そこで、両者を同じ層位に設置し、非凍結期に両者の相関を検討した。土壌水分ポテンシャルと体積含水率との間には、湿潤過程と乾燥過程とで強いヒステリシスが認められた。しかし、乾燥過程についてはそれぞれの地点、層位毎に一定の変動が認められ、の関係はvan Genuchten式で近似でき、体積含水率から土壌水分ポテンシャルを精度良く推定することが可能であり、この結果をもとに土壌水分ポテンシャルの通年観測が可能となった。さらに30cmならびに90cmの深さに設置した直径26.8cmのポーラスプレートをテンシオメータで計測したその層位の土壌水分ポテンシャルで吸引することにより得られる土壌水の量を測定するという手法を用いることによって、土壌水分フラックスを算出した。その結果、斜面上部の30cm深で0.4~0.7mm d-1、斜面中部の30cm深で0.2~0.5mm d-1、90cm深では0.1~0.5mm d-1のフラックスが算出された。これらの値は、今後求められる予定の土壌水分ポテンシャルと不飽和透水係数から求められる土壌
カテゴリ 乾燥 自動計測

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