| 課題名 | 生育環境変化に対する樹木の応答機構の解明 |
|---|---|
| 課題番号 | 2001001105 |
| 研究機関名 |
独立行政法人森林総合研究所 |
| 研究分担 |
森林総合研究所 北海道支所 植物土壌系研究グループ 森林総合研究所 植物生態研究領域 樹木生理研究室 森林総合研究所 気象環境研究領域 気象害・防災林研究室 森林総合研究所 北海道支所 森林育成研究グループ 森林総合研究所 東北支所 育林技術研究グループ 森林総合研究所 東北支所 生物被害研究グループ 森林総合研究所 木材特性研究領域 組織材質研究室 |
| 研究期間 | 新規2001~2005 |
| 年度 | 2001 |
| 摘要 | 1.当年度の研究目的 将来的な環境変動に対する樹木の応答機構を明らかにするため,環境変動の現状を把握し,環境条件が個葉の生理的形態的特性および個体の成長特性に与える影響を評価することを目的とした。 2.当年度の試験研究方法 1)つくば市内において大気CO2濃度の連続測定を行った。 2)自然条件下で落葉・常緑広葉樹の葉の光合成・蒸散速度、気孔コンダクタンス、水ポテンシャルを測定し、形態的特性、生育期間の長さやターンオーバーを調べるとともに,実験的に高CO2条件下で広葉樹苗を育て,生理特性と成長特性を調べた。 3)南アルプスのコメツガ、インドのチーク、東シベリア・タイガのカラマツとアカマツについて木部組織の試料を収集し、年輪幅や安定同位体比などの測定・分析を開始した。高標高山岳地で紫外線の観測を行うとともに、樹木へ紫外線照射を行って発現する二次代謝産物をストレス指標として同定する手法の開発に着手した。 3.当年度の研究成果 1)大気CO2濃度が年々増加しており、季節的、時間的な変動パターンの他に人的な影響として曜日によるパターンなどが明らかになった。 2)落葉樹のブナとイヌブナは,気温が高い夏季に気孔コンダクタンスが高く葉の水ポテンシャルは低かった。夏の期間、葉の浸透ポテンシャルを低下させ、さらに土壌から葉への通水抵抗を低下させることによって、水分ストレスから回避し、高い光合成速度を可能にしていた。小笠原の乾燥地常緑樹では、生理的に強光に弱い葉を持つ樹種では光合成能力は低く出葉角はより垂直に近くなり、葉の生育期間の短いものほど葉は薄くなるなど,葉の形態と生理的な特性に一定の関係があることが示唆された。試作した小型OTC(Open Top Chamber)によりCO2濃度をほぼ目標の値に制御できた。ケヤマハンノキ、ミズナラ、イタヤカエデでは高CO2条件で光合成生産が増加した結果成長が促進されたが、通常大気で育てた苗との差はミズナラが特に大きかった。 3)材の密度や年輪幅、同位体比などと環境要因の間に一定の関係が認められた。山岳地では放射の直達成分の増加により紫外線量が低地より多くなっていた。紫外線ストレス指標としてkaempferol-3-O-D-glucopyranosideが有望であり,その生成のタイムコースを明らかにした。 |
| カテゴリ | かえで 乾燥 |