きのこ新育種技術の開発

課題名 きのこ新育種技術の開発
課題番号 2001001134
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 きのこ・微生物研究領域 きのこ遺伝子担当チーム長
森林総合研究所 九州支所 森林微生物管理グループ
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的 連鎖解析に必要なシイタケの一次菌糸体を得るため担子胞子を分離し,分子マーカーを検索調査する。また,輸入シイタケを収集し,その系統を調査する。さらに,シイタケの系統判別に適したDNAプライマーの探索及び開発に着手する。 2.当年度の試験研究方法 1)シイタケ連鎖地図の作製:連鎖解析に必要なシイタケの一次菌糸体を得るため担子胞子を分離し、分子指標の検索を予備的に行う。 2)(有用きのこの菌系調査):輸入シイタケの系統収集を行い、その系統調査を行う。 3)有用きのこの菌系調査:シイタケの系統判別に適したDNAプライマーの検索及び開発に着手する。 3.当年度の研究成果 1)シイタケの連鎖解析に必要となる一次菌糸体を、担子胞子から数百菌株調製し保存するとともに、これらからDNAを調製しDNA標品を得た。次に、予備的に、連鎖指標に用いるRandom Amplified Polymorphic DNAs (RAPD)指標を検索し、選抜した約70の指標を用いて21本の連鎖群を構築した。当該成果は、栽培きのこの連鎖地図としてはツクリタケの報告に続くものとなる。しかし、木材腐朽能のないツクリタケと違い明白な木材腐朽性をもち白色腐朽菌であるシイタケは、ツクリタケにない、または、それ以上の有用な機能やそれに係わる遺伝子の存在が想定される。このため、シイタケの連鎖地図の構築は、栽培きのこの遺伝学的基盤を確立する上で不可欠な研究と見なせる。また、実用的にもその成果は、シイタケ育種の効率化につながる。さらに、輸入シイタケの増大で劣勢に追い込まれている国内のシイタケ産業の活力を回復させる上でも、特色のあるシイタケ品種の開発は必須であるが、その戦略的な品種育成でも役立つ。 2)市販の輸入生シイタケを収集し組織分離菌株として保存するとともに、各菌株間で栄養繁殖体不和合検定を行い菌株の異同を判別した。続いて、ブナ・フスマ鋸屑培地で生した子実体から担子胞子を分離し、この担子胞子由来の一次菌糸体を調製するとともに、プロトプラス菌床栽培を行い、分離菌株の形態等栽培特性を評価した。また、発技術を用いて二次菌糸体である分離菌株の構成一次菌糸を分離調製した。このように調製した一次菌糸体を用いて、菌株間で交雑を行い分離菌株の交配因子分析を行った。栄養繁殖体不和合検定、栽培特性調査、交配因子分析の3種類の手法で収集菌株の系統調査を行った結果、市販の輸入生シイタケには少なくとも4系統存在することが分かった。4系統の内、主要な2系統は、当所保有菌株と極似することも分かった。また、栄養繁殖体不和合を示す系統は、本質的に、菌床栽培特性に違いがあった。一方、不和合性を示す系統間で同一の交配因子をもっていることも分かり、輸入生シイタケの系統の近交性も明らかにした。2001年、我が国は中国に対して輸入生シイタケの暫定的セーフガードの発動を行ったが、その時点で、国民的な関心事の一つとなった中国産生シイタケの系統及びその 3)シイタケの系統判別に適したSequenced Characterized Amplified Region (SCAR)指標やRAPD指標を探索し、栄養繁殖体不和合検定で判別困難な菌株でも別菌株として判別可能な、SCAR指標セットを開発出来た。当該成果は、シイタケの系統判別法として、新たにSCAR指標の有用性を明らかにした。
カテゴリ 育種 くり しいたけ 繁殖性改善 品種

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