低環境負荷型耐久性向上技術の開発

課題名 低環境負荷型耐久性向上技術の開発
課題番号 2001001148
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 木材改質研究領域 木材保存
森林総合研究所 木材改質研究領域 高耐久化担当チーム長
森林総合研究所 木材改質研究領域 機能化
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的 1)シロアリ誘引性ベイト剤の有効性評価を行う。2)低コスト低環境負荷型防腐処理での効力検証と迅速測定法を検討する。また、木材分解酵素ラミナリペンタオースハイドラーゼの触媒機構を解明する。3)ISO に準拠する新たな燃焼試験方法で木質材料の火災安全性を明らかにする。4)木材中に生じる光劣化層の挙動を解析する。 2 1)キチン合成阻害剤を含むベイト剤は薬剤の分子構造が類似であっても効果は大いに異なることをシロアリの選択摂食試験で確認し、ベイト剤開発の方向性を明らかにした。 "2)熱処理などの低環境負荷型防腐処理による効力を室内実験により検証し、大気温度、蒸気温度、水温の各105℃熱処理での効果は無く、高温域評価が必要であること、また、木タール画分はメタノール希釈10%以上の検討が重要であり、豪州ヒノキ精油は高い防腐効力があるなど、薬剤開発の知見を得た。くん煙処理は木材中へのくん焼成分の浸透が十分であれば防腐効力が認められたことで、くん煙乾燥と併せて実用化の検討が必要となった。銅・アゾール系木材保存剤で処理した木製ダムの7年目の耐久性調査から、実用性が確認できた。ラミナリペンタオースハイドラーゼはβ-1,3-グルカンの結合を反転させることから本酵素のファミリーはインバーテイング機構であることを示唆できた。" 3)板材の燃え抜け時間、燃焼発熱量等の計測から、リン酸系薬剤量では木材1立方メートル当たり80kgで難燃材料、160kgで準不燃材料の性能が得られ,突き板による表面化粧は1平方メートル当たり230g以下ならば防火性能に影響しないことを明らかにした。また、火災被害の体育館構造用集成材の被害調査から集成材が構造安全性を保障し火災に強いことを実証した。 4)顕微FT-IRプロファイル法により光劣化層の発達速度を計測可能とし、木材の光劣化度の定量的評価に有効な手段であることを示した。
カテゴリ 乾燥 低コスト 薬剤 薬剤開発

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