課題名 | 木材加工機械の消費エネルギー削減と性能向上技術の開発 |
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課題番号 | 2001001165 |
研究機関名 |
独立行政法人森林総合研究所 |
研究分担 |
森林総合研究所 加工技術 チーム長 森林総合研究所 加工技術 木材乾燥 森林総合研究所 加工技術 木材機械加工 |
研究期間 | 新規2001~2005 |
年度 | 2001 |
摘要 | 1.当年度の研究目的 1)立体形状の構成要素のうちのひとつとして円錐面をとりあげ,NCルータの2(1/2)軸加工における加工条件と円錐面の加工精度の関係を明らかにする。 2)蓄積された乾燥スケジュールを解析し,数値化したものをタイムスケジュール化する。 3)木質廃棄物をバイオマスエネルギーとして利用するシステム全体のエネルギー収支を評価するために,木質廃棄物の破砕化,木粉化工程における消費エネルギーを把握する。 2.当年度の試験研究方法 1)円錐面の底面に対する角度(θ),ペック量(p),送り速度(F)およびルータビット先端の円弧切刃の曲率半径(r)の加工条件を組み合わせた実験条件で,厚さ20 mmのブナ板目試験片に下底円半径40 mmの円錐台を形成加工して,粗さ測定に供した。 2)材長3 mの心持ちスギ柱材の乾燥スケジュールを背割り加工材と無背割り材に分別して,実験から得られた乾燥曲線をもとに実用的なタイムスケジュールを作成した。 3)木質廃棄物の中間処理を行っている2工場について,破砕機械設備,処理量,月間の消費電力量を聞き取り調査した。 3.当年度の研究成果 " 1)円錐面を形成するルータビット円弧切刃の切削位置は,円錐面の底面に対する角度(θ)によって変化する。また,ビットが周回切削する際に木材繊維が切断される角度変化の影響もある。円錐面の表面粗さは,逆目切削領域ではθに反比例し,順目切削領域ではθ=30, 75°が最小となった。円弧切刃の曲率半径(r)を大きくすると,rの増加につれて粗さは減少した。また,粗さの絶対値が小さい順目切削領域への曲率半径の効果は一部の実験条件で認められた。上向き切削と下向き切削の比較では,逆目ボレの発生が認められなかった下向き切削の方が有利であると推定される。" " 2)背割り加工材の人工乾燥スケジュールでは,乾燥開始8時間後に110℃,24時間の処理を行ったが,高含水率のために大きな表面割れは生じなかった。材長3 m,初期含水率80%の実大材は,乾燥時間4日で含水率20%以下に,初期含水率100%の試験材でも6日程度で20%以下になった。一方,初期含水率80±20%,背割り加工を施さない柱材では,心持ちであるために表面割れを免れることはできないが,乾燥後の加工および建築施工上には差し支えない程度に仕上げられた。内部割れは全体数の5%以下に認められたが,割れ幅0.5 mm未満の小さなものであった。" " 3)T組合の機械設備は,シュレッダー(処理能力1.5 t/h,定格出力110 kw),傾斜式粉砕機(7.5 t/h, 150 kw),ドラムチッパー(8 t/h, 55 kw)で,破砕機械の定格出力の合計は315 kwである。主に木材工業から発生する木質廃棄物の平均月間処理量は,樹皮2,040 t,背板・端材175 tであった。K社は,クラッシャー(定格出力62 kw),チッパー(325 kw),二軸剪断破砕機(200 kw)を設置し,定格出力の合計は587 kwである。木質廃棄物の平均月間処理量は,住宅解体木材142 t,梱包材35 t,型枠材35 t,廃パレット35 t,工場残廃材108 tで,月間合計 355 tであった。今回の調査からは,両工場の破砕機械による相違点を解明するまでには至らなかった。" |
カテゴリ | 加工 乾燥 バイオマスエネルギー |