きのこ類の形質転換に必要なベクター及び遺伝子導入技術の開発

課題名 きのこ類の形質転換に必要なベクター及び遺伝子導入技術の開発
課題番号 2001001172
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 きのこ微生物研究領域 きのこ研究室
森林総合研究所 きのこ微生物研究領域 微生物工学研究室
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的 1)形質転換系開発に有用なレトロウイルス様DNA因子(=LTR型レトロトランスポゾン)をクローニングする。 2)DNA分析による菌根の判別技術の開発をする。 3)きのこの形質転換系開発のためにPEG/CaCl2法をヒラタケに応用した場合の転換効率を解析する。 2.当年度の試験研究方法 "1)レトロエレメントを用いたシイタケ形質転換系の開発:マツタケの遺伝子ライブラリーをラムダEMBL3ベクター系に作成した。そして、PCR法で断片的にクローニングしたレトロトランスポゾンの特徴部位である逆転写酵素領域をプローブに用いて、プラークハイブラダイゼイション法を行った。約10,000個のクローンの中からLTR型レトロトランスポゾンをスクリーニングした。" 2)菌根判別法の開発:マツタケおよび近縁種のレトロトランスポゾンをクローニングするためPCR法を開発し、これら菌類が持つレトロトランスポゾンの分子進化を解析した。 3)きのこの形質転換系の開発:PEG/CaCl2法を用いてヒラタケのプロトプラストを作成し、この手法による形質転換効率を評価した。 3.当年度の研究成果 1)マツタケの遺伝子ライブラリーより、レトロトランスポゾンの特徴部位である逆転写酵素領域を持つクローンを複数得た。これらのクローンについてサザンハイブリダイゼイション解析を行った結果、少数ではあるが完全なレトロトランスポゾンを持つクローンも特定できた。制限酵素解析により、上記のクローンは約10.0 kbのマツタケゲノムDNAを持ち、逆転写酵素領域を挟み込むようにして500bp程度の反復配列が存在することが明らかになった。この反復配列はレトロウイルスやこのウイルスに非常に近縁のLTR型レトロトランスポゾンが特有にもつ末端反復配列(=LTR)であると考えられる。 2)レトロトランスポゾンを遺伝子マーカーにしてマツタケを特定するPCR法を開発した。このPCR法を用いることにより、培養菌糸のみならずアカマツ-マツタケ共生体である菌根も特定できた。さらに、マツタケに近縁の菌類のレトロトランスポゾンをクローニングするためのPCRの系を開発した。そしてマツタケ近縁種のレトロトランスポゾン様DNA断片をクローニングし、塩基配列を解析した。その結果、今回マツタケの菌根判別のために遺伝子マーカーとして用いたレトロトランスポゾンは、これら菌根菌が独自の宿主となる植物を特定し種を確立していった過程で獲得された、分子進化上比較的新しいDNA因子であると考えられる。 3)Kim et al. で報告されたベクターpTR3.2をヒラタケのプロトプラストに導入し、栄養要求性遺伝子マーカーで形質転換体を選抜した。その結果、1マイクログラムDNA当たり20個程度の頻度でヒラタケの形質転換が可能なことが明らかになった。
カテゴリ しいたけ

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