課題名 |
液化、超臨界流体処理等によるリサイクル技術の開発 |
課題番号 |
2002003202 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 主任研究官(木材保存研)
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協力分担関係 |
坂志朗(京都大学)
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研究期間 |
継続2001~2004 |
年度 |
2002 |
摘要 |
当年度の試験研究方法:木材液化分解物中のリグニンフラクションの樹脂化とシステムの経済性の評価に取り組むとともに、より穏和な亜臨界領域での反応条件の最適化に取り組む。また、住宅廃材のC1化学変換によるバイオメタノール製造の適正を評価するとともに、メタノール生産における実証試験の問題点を解明する。 当年度の研究成果:完全加溶媒分解(ES)処理により、有用なレブリン酸取得と同時に樹脂化可能なリグニンを副生することが可能となった。また、ポリオール系物質をES試薬に用いると、樹脂化に有用であることが明らかとなった。なお、有用なレブリン酸は、イオン交換樹脂で収率良く精製できた。さらに、従来の木材液化は、木材と溶媒比が高く安価に液化できなかった。ES処理により樹脂原料中のバイオマス量も90%程度に達しコストダウンのシステムを構築した。半流通式反応装置を用いたスギ辺材木粉の超臨界水および亜臨界水処理において、分解反応液の糖濃度を測定 し、糖収率を算出したところ、反応温度が310、320度Cのときに高い収率が得られた。また、水と木粉との接触性を高める前処理を行うことで糖収率は約10%増加した。前処理によって重合度5以上の多糖類の生成が特に増加し、糖収率は最大で66.6%に達した。建築廃材由来の木材原料もスギ材とほぼ同等の分析結果が得られ、C1化学変換によるガス化メタノール合成に適用可能であることが明らかとなった。スギ人工林を起源とする木質バイオマス1tの調達コスト並びに調達にかかる消費エネルギー量を試算した。結果の意義:「環状炭酸類を用いる木質系物質からの樹脂原料組成物の製造方法」、「リグノセルロースの有効利用方法」、「セルロース含有材から有用成分を回収する方法」として特許化あるいは特許請願されるとともに、木質バイオマスの有用物資への変換技術の実用化に資する。
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カテゴリ |
コスト
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