| 課題名 |
希少樹種の遺伝的多様性と繁殖実態の解明 |
| 課題番号 |
2003004311 |
| 研究機関名 |
森林総合研究所
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| 研究分担 |
森林総合研究所
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| 研究期間 |
継続2001~2005 |
| 年度 |
2003 |
| 摘要 |
希少樹種の遺伝的多様性と繁殖実態の解明当年度の試験研究方法:1)ハナノキ自生地林分の群集組成と林分構造の調査より、ハナノキ林の成立と維持について検討するとともに、種子生産、種子の発芽特性、環境の違いによる実生の発生と消長などから繁殖特性を解析する。またSSRマーカーの開発を進めるとともに、アロザイム変異をもとに地域集団の遺伝的多様性を解析する。2)湯檜曽川流域に分布するユビソヤナギ集団の遺伝的空間構造の解析のために、SSRマーカーの開発を行なう。さらにユビソヤナギの分布の空白地帯である福島県只見水系において分布調査を行なう。3)北海道におけるケショウヤナギの詳細な分布情報にもとづいて、植物レッドデータブックの方法により成木集団の絶滅確率を推定する。4)ヤツガタケトウヒのSSR変異に基づく地域集団の遺伝解析を行なうとともに、八ヶ岳西岳林木遺伝子資源保存林において、林内の一部のカラマツを伐採することによる更新促進試験を通して更新動態に関する調査を行う。また、ヒメバラモミ自生地の分布状況と更新状況の調査を行なう。早池峰山のアカエゾマツ遺存集団について、非土石流被害地成熟林分の林分構造とアカエゾマツの更新特性を解析する。SSRマーカーを用いた集団の遺伝的変異解析を進める。5)アポイカンバ集団で、起源種とされるダケカンバとヤチカンバに由来する遺伝的変異がどのように保持されているかを明らかにする。また、アポイカンバの開花と花粉飛散のフェノロジー、受粉花粉の種類と局所密度が健全種子率に与える影響を調べる。6)シデコブシのSSRマーカーの開発を行なうとともに、それを用いて愛知県瀬戸市屋戸川のシデコブシ集団で得た種子について花粉親を同定し、花粉流動のパターンを解析する。さらにサイズの異なる2集団において、人工受粉実験による結実率、近親交配、胚生存率等より近交弱勢の大きさを求める。当年度の研究成果:1) 林分構造解析等により、現存するハナノキ林は人為との関わりで成立し維持されたと考えられ、更新はほとんど行なわれていない現状が明らかにされた。また、地理的に隔離している居谷里集団は遺伝的にも離れていると認められた。2) ユビソヤナギのSSR遺伝マーカー8座を開発し、それを用いて湯檜曽川流域内の集団を解析した結果、コホートの地理的分布に明らかな遺伝構造があることが認められた。また、只見川水系伊南川流域で、ユビソヤナギの分布範囲としては最大規模の分布を初めて確認した。3) ケショウヤナギの分布については、日本のすべての2次メッシュにおいて分布の有無を判定し、既往の情報と今回の調査結果を用いて個体数レベルと減少率レベルを求め、それに基づくシミュレーションを行った。その結果、北海道の成木集団の50年後と100年後の絶滅確率はともに0%になった。4) ヤツガタケトウヒのSSR変異に基づく遺伝解析により、西岳遺伝子資源保存林の特殊性が確認された。さらに生育地内に植栽されたカラマツ伐採の効果については、実生数の明らかな増加は認められなかったが、前生稚樹の成長には著しい促進効果が確認された。また、ヒメバラモミの地域による遺伝的分化は認められず、小集団でも近親交配が高い傾向は見られなかった。しかし、孤立母樹の種子の多くは自殖由来であることが認められ、孤立母樹の更新には人為的管理が必要であることが示唆された。さらにアカエゾマツ遺存集団の林分構造解析より、土石流による撹乱がない条件ではアカエゾマツの更新は困難であり、次世代の森林はコメツガ、さらにはヒバの優勢な集団へと移行していくと考えられた。5) アポイカンバ集団の遺伝変異をダケカンバとヤチカンバとの変異と比較した結果、アポイカンバは両種間のランダムな交雑によってできた雑種起源の種とみなすことができた。また、アポイカンバは自家不和合性で、健全種子の生産は花粉不足によって制限されていることが認められた。 6) シデコブシ種子は種子親から距離的に近い個体が花粉親になる傾向が強い一方、比較的長距離の花粉散布も生じている可能性が示唆された。また、サイズの異なる2集団のSSR変異解析と人工交配実験より、小集団では近親交配の程度が高いこと、またそのような集団では致死遺伝子が自然選択によって除去され、近交弱勢の大きさが減少すること、さらに、花粉不足や資源不足などの近交弱勢以外の要因が自然受粉花における胚の生存率を低くしている場合があることなどが認められた。
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| カテゴリ |
受粉
ばら
繁殖性改善
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