集団的萎凋病の対策技術の開発

課題名 集団的萎凋病の対策技術の開発
課題番号 2003004335
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 集団的萎凋病の対策技術の開発当年度の試験研究方法:雄を穿入させた丸太への飛来数,穿入数等を調査し,自然加害観察の結果と比較考察した。森林総合研究所所蔵標本の調査、および琉球列島,九州,四国,房総半島における現地調査によりナラ類集団枯損未被害地におけるカシノナガキクイムシ分布状況の調査を行った。カシノナガキクイムシの予備的な分子系統解析をミトコンドリアDNA領域とリボゾームDNA 領域を用いて行った.過去の穿入履歴が明らかな山形県櫛引町の被害林において、連続加害・生存、昨年初加害・生存、昨年初加害・枯死の3種類のミズナラにスカート型、パイプ型およびネットによる羽化トラップを設置して羽化個体や天敵類を採集し死亡要因について考察した。山形県庄内地域において,Raffaelea quercivoraを収集し、培地上における菌叢形態を比較するとともに、接種試験によって病原力の相違を検討した。病原菌の接種による組織学的変化を解析するには不適当な気候と判断したので,接種を中止した。当年度の研究成果:シーズン当初に寄主へ穿入した雄は集合フェロモンを発する。集合フェロモンに誘引された雄が穿入してさらに集合フェロモンを出し,集中攻撃が始まる。やがて,密度効果等により飛来した雄の穿入率が低下し,全ての雄が交尾することで集合フェロモン生産が停止し,攻撃が終了する。この間に隣接木へ穿入した個体によって新たな攻撃木が出現し,同心円状に穿入が広がる。カシナガの集中攻撃はこのようにして生じることが確認できた。森林総合研究所所蔵標本から、群馬県で採集されたカシナガの乾燥標本が見いだされた。これは本州における、被害未報告地域からの初記録であり、被害確認地以外の本州地域にも本種が分布していることが明らかになった。現地調査では徳之島・石垣島において本種を採集した。両地域ともスダジイの倒木を利用しており、生立木に穿孔している形跡は発見されなかった。本種が未被害地においては倒木や落枝などを利用している可能性が示唆された。ミトコンドリアDNA を用いた解析およびリボゾームDNAを用いた予備的な解析の結果、日本国内には系統的に大きく隔たった2つの系統が存在することが明らかとなった。ハエ類(同定中)やクロホソゴミムシダマシが天敵として捕獲された。2002年には被害木1本当たり2000頭以上のカシナガ成虫が発生していた林分で、2003年には平均100頭の発生にとどまった。このことは、同一林分では集団枯損が発生後数年間で枯損が終息する現象が、ミズナラ生立木が減少していくためだけでなく、樹木側の抵抗力や天敵類の影響によりカシナガの繁殖成功度も変化する結果であることを示唆している。分離した12菌株は,菌叢形態と接種により木部に形成される変色部の大きさから3グループに分けられた。このことから庄内地域に分布しているR. quercivoraには多様な特性を持つものが混在していることが明らかとなった。
カテゴリ 病害虫 害虫 乾燥 繁殖性改善 フェロモン 防除

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