地球温暖化の自然林・人工林への影響、適応、脆弱性評価

課題名 地球温暖化の自然林・人工林への影響、適応、脆弱性評価
課題番号 2003004377
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 地球温暖化の自然林・人工林への影響、適応、脆弱性評価当年度の試験研究方法:1)前年度に作成したブナ林分布適地モデルに地形、地質、土壌因子を追加した分類樹モデルを作成し、CCSR/NEAS気候モデルの2090年代におけるブナ林分布適地を予測した。(2)関東甲信越・静岡県における植生調査資料のデータベース(2183地点)と、環境庁メッシュデータのうち同じ地域の部分を切り出したデータを用いて、ミズナラ及びブナについてそれぞれの種が優占して出現する植分の分布と気候要素との関係について比較した。(3)全国500以上の地点から採取されたスギ針葉の窒素含有率をCNコーダーを用いて定量した。採取地点の気象データはメッシュ気候値2000(気象庁)を利用した。解析には採取月日の特定が可能であった244地点のデータを利用した。(4)既存の指数関数型貯留量のタンクモデルに、土壌水分の減少にともなう蒸散量減少の項を加えて改良した。これに、20年間の日降水量データと代表的な土壌水分特性データを適用し、土壌による乾燥特性の違いを解析した。(5)SPOT VEGETATION(VGT)データから計算されるNDVIデータに雲取りフィルタ処理を施したのち、その季節変化特性を基に分類を行って土地利用図を作成した。当年度の研究成果:(1) ブナ林とミズナラ林の分布と気候条件の関係を定量的に明らかにするために,日本全国の植生と気候値の3次(約1km2)メッシュデータを用いて分類樹による統計解析を行った。ブナ林は多雪地域に多く,最寒月最低気温が-12.45?C未満の冬の寒さの強い地域,暖候期降水量760.5mm未満の成長期の降水量の少ない地域,暖かさの指数73.95以上または,寒候期降水量が441.5mm未満の積雪が少ないと考えられる地域で分布が制限されていると考えられた。一方ミズナラ林は冬の寒さの強い地域や成長期の降水量の少ない地域,また積雪の少ない地域でブナ林よりも多いものの,暖かさの指数73.95未満,かつ寒候期降水量が441.5mm以上の積雪の多い地域では分布が制限されていると考えられた。(2)植生調査資料及びメッシュデータから作成した分布の比較により,太平洋側や新潟の沿岸部などにメッシュデータでは示されていないブナ,ミズナラが優占する林分が植生調査資料より示された。これらは日本海側の低山や太平洋側の孤立林など,メッシュデータでは検出できかった下限域の小面積林分が植生調査資料では拾われていることによる。植生調査資料を用いた解析は,メッシュデータでは検出できない分布限界域の小面積林分や解析対象樹種を含む多様な森林タイプを拾うことができることが示された。(3)スギ針葉窒素含有率の平均値は14.0mg gDW-1であり、多くのスギ林では成長および光合成にとって過不足がないと考えられる範囲にあった。褐色森林土群に属する採取地点では、年平均気温と針葉窒素含有率との間に弱い正の相関がみとめられた。(4)適潤性褐色森林土、黒色土、弱乾性褐色森林土のA層、B層の乾燥特性には、大きな違いが認められた。A層ではいずれの土壌も乾燥状態を示さなかった。B層の乾燥日数は、黒色土よりも褐色森林土の方が多かった。(5)VGTから計算されるNDVIに対してLMF-KF処理を施してノイズを軽減して季節変動パラメータを求めた。それに基づきボルネオ島全体を対象として教師なし分類を行った。またランドサットデータを用いて、キナバル国立公園周辺、ダルマコット試験地周辺および中央カリマンタン州の湿地林地帯の土地利用図を作成し、VGTデータから作成した土地利用図の精度を評価した。森林とそれ以外の土地利用は比較的高い精度で分類できた。
カテゴリ 乾燥 季節変動 データベース

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