生育環境変化に対する樹木の応答機構の解明

課題名 生育環境変化に対する樹木の応答機構の解明
課題番号 2003004379
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 生育環境変化に対する樹木の応答機構の解明当年度の試験研究方法:(1)ブナ、イヌブナ、ミズメについて、温度ごとの電子伝達速度と光合成速度の関係および樹冠葉群内の電子伝達速度の実測結果から、樹冠内における光合成速度の垂直分布を推定し、光合成生産のシミュレーションを試みる。(3)光環境を変えてアカギ他数樹種苗を育て、個体サイズや根の成長、光合成特性、水利用特性などの変化を調べる。(4) つくば市内において、樹冠の高さ(約20m)に相当する位置で大気をサンプリングし、CO2濃度の連続測定を行う。(5)自然光型人工気象室内で生育させた樹木苗に強度別のUV-B照射を行い、UV-B強度による生育への影響を調査する。(6)通常大気(360ppm)とその倍の濃度の高CO2大気(720ppm)条件で、シラカンバ苗木を灌水間隔を変えて生育させ、葉の光合成能と光阻害感受性を調べる。(7)CO2濃度と施肥条件を変えて生育させたカラマツ苗の葉をマイマイガ幼虫に摂食させ、摂食量と成長から葉の生理特性を評価する。(8)光合成により吸収させたC-13トレーサーの年輪内分布を解析する。人工気象下でスギ苗木に水ストレスを与え,形成層帯・分化帯における細胞形態の観察を行う。群馬県本白根山の同じ地点で採取したコメツガ及びトウヒの成長錐コアについて、軟x線により年輪解析を行う。(9)帯広分局管内の壮齢トドマツ人工林について枯損被害実態を調べるとともに、主要枯損被害林分の4林分(阿寒町仁仁志別、標茶町雷別、厚岸町上尾幌、中札内村元更別)に調査地を設定し、個体別被害状況を調べる。被害発生林分から最寄りの地点での過去の気象要因を調べ、被害発生の引き金になった気象要因を抽出する。当年度の研究成果:(1)測定結果からガス交換特性をモデル化し、樹冠内における光合成の分布を推定したところ、遷移前期樹種であるミズメは遷移後期樹種であるブナ、イヌブナと比べ陰葉でも比較的明るい条件下にあり、葉群下部の葉でも比較的高い光合成をしていた。葉群下部の葉は周辺空気湿度が比較的高く蒸散が少ないため、水利用特性の面で有利な性質を持っていると考えられる。(3)暗から明処理へ移行した場合、先駆性樹種では根への物質分配が多く、遷移後期樹種では葉の馴化が鈍い傾向が見られ、これらの中間の性質をもった移入樹種アカギが最も有利な水利用特性を獲得しており、成長もアカギが最も良かった。すなわち、アカギはギャップ形成など攪乱に対して有利な特性を持っており、これが小笠原においてアカギが移入種として定着できた要因の一つと考えられる。(4)大気CO2濃度の変動は昨年と同様の傾向を示し、短期的には人為活動が相対的に活発でなくなる休祭日に低く、長期的には光合成生産が少ない冬季に高くなった。また、風の強い日は大気の攪拌により日較差が小さくなる傾向があった。(5)多種の樹木苗において、過度のUV-B照射とUV-Bの遮断のいずれもが生育阻害を生じさせることが明らかとなった。UV-Bが穏やかに存在する環境において最も旺盛な生育を示す現象については、これまでの草本性植物などの結果では報告されていない。UV-BによるDNA損傷の有無を調べるための葉の試料を調整中で、整い次第分析に着手する。(6)生育時のCO2濃度(360ppmと720ppm)条件では、葉内CO2濃度は後者が高く、光合成速度も後者が高かった。乾燥処理区では気孔コンダクタンスが低下し、葉内CO2濃度は低下したが、葉面積あたりの窒素濃度は逆に乾燥処理区が高く、同じCO2濃度処理間で比較すると光合成速度は乾燥の影響を受けなかった。光阻害感受性の指標となるフォトケミカルクエンチング(qP)はCO2濃度が上昇すると低下したが、生育時のCO2濃度条件下ではqPはCO2濃度処理間で差がなかった。また、乾燥によってqPは上昇する傾向があった。これらのことは、高CO2により光阻害感受性は一時的に高まるが、長期間高CO2条件におかれると光阻害感受性は低下すること、将来的な高CO2環境下で光阻害感受性は高くなるが、乾燥によって感受性の増大が緩和されること、を示唆している。(7)カラマツとマイマイガの関係では、施肥条件下では高CO2の幼虫成長抑制が強く現れた。また、食物が生体重へ変換される効率は、施肥・高CO2条件下で最も低く、逆に相対摂食率はこの条件下で最も高くなった。マイマイガ幼虫にとっては、高CO2のために葉の生理的状態が悪化するが、施肥条件下ではそれが一層強められ、それに対応して幼虫はより多く摂食したと考えられる。(8)樹体内での炭素アロケーションの動態を把握する手法として、C-13のトレーサーを用いて木部の材にマーキングする手法を確立した。灌水停止によってもたらされた水ストレスによって、スギ木部の新生仮道管の寸法は速やかに小さくなり,ストレスの継続により形を維持できなくなった。群馬県本白
カテゴリ 乾燥 施肥 茶

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる