都市近郊・里山林における環境特性の解明

課題名 都市近郊・里山林における環境特性の解明
課題番号 2003004398
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 都市近郊・里山林における環境特性の解明当年度の試験研究方法:京都府山城町北谷国有林内にある山城試験地において以下の研究を行った。1) 山城試験地内に、地形を考慮して4ヶ所の観測プロットを設置し、地温、土壌含水率の通年連続観測を行った。2) 山城試験地のコナラとソヨゴの樹冠部最上部と最下部の計4ヶ所に自動葉群チャンバーを導入し、季節変動パターンの観測を行うとともに、群落における水蒸気・熱フラックスを測定した。3) 降雨、林内雨、樹幹流,土壌水、渓流水を定期的に採取し、窒素酸化物等の汚濁物質の流入・流出量を測定した。山城試験地および志賀町の落葉広葉樹林において土壌調査を行った。当年度の研究成果:里山林土壌の年間呼吸量は、尾根部で低く沢底部で高いことが明らかになるとともに、夏期には土壌の乾燥が原因とみられる蒸散抑制や光合成量の低下および渓流水質の変化が生じたことが明らかになった。窒素の流入量はわが国の森林としては一般的な数値であるが、窒素の流出量はやや大きいことが判明した。すなわち、試験地内の北向き斜面、沢底部、南向き斜面の3プロットの土壌水分率は、2002年の夏期に共通して水分率が著しく低下した。尾根部は他の3プロットに比べて土壌水分率が常に少なかったが、夏期にはさらに土壌水分率が低下する傾向が認められた。この観測値に基づいて、年間のCO2フラックスを計算したところ、尾根部で16.9tCO2/ha、沢底部で26.4 tCO2/haであった。単位葉面積あたりの最大光合成速度は、コナラとソヨゴの樹冠最上部では2002年の5月に、コナラの樹冠最下部では同年6月に観測されたのに対して、ソヨゴの樹冠最下部では同年12月に最大となった。またいずれの観測においても夏期に最大光合成速度の低下が認められた。気象観測タワーにおける放射収支と乱流変動法による連続観測では夏期に潜熱の減少が観測された。渓流水では硝酸濃度が夏期に低下したのに対して溶存有機物濃度は夏期に著しく上昇した。2002年の降水量は1012mmと例年に比べて少なかったので、2002年夏期の蒸散抑制や光合成量の低下などの変化はやや特殊なケースかもしれない。しかし例年よりも降水量が多かった2003年においても、夏期に樹液流動の低下が認められたことから、当試験地では夏期の蒸散抑制は毎年起きている可能性があるので、今後もこの点に注目して観測を続けていく必要がある。またソヨゴの樹冠最下部における光合成速度が12月に最大になったことは、森林が冬期にも活動していることを示しており、関西地域に多くみられる常緑樹が混入した里山林の特徴であるといえるであろう。山城試験地流域における2001、2002年の降雨による窒素負荷量(硝酸態窒素+アンモニア態窒素)はそれぞれ5.6、5.4kg/ha/yrであり、欧米の森林において顕著な窒素流出を引き起こすとされる10kg/ha/yrは越えていなかった(図-2)。しかし2001、2002年の渓流水への窒素流出量(硝酸態窒素)はそれぞれ4.6、4.4kg/ha/yrであり、流入と同等あるいは流入の半分以上の窒素が流出しており、窒素が流域の森林生態系に保持されにくい状況にあることが明らかになった。
カテゴリ 乾燥 季節変動 コスト

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる