製材の強度性能評価技術の開発

課題名 製材の強度性能評価技術の開発
課題番号 2003004427
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 製材の強度性能評価技術の開発当年度の試験研究方法:1)スギ心持ち正角(断面寸法:105mm×105mm)を供試材として、実大いす型方式と曲げ方式によるせん断試験を行った。試験体は、ヤング係数と密度の平均値と変動係数が等しくなるように3グループに分割し、乾燥温度が90℃、120℃、135℃の3条件でそれぞれ乾燥した。各試験体はせん断試験前に、縦振動法によるヤング係数、ねじり振動法によるせん断弾性係数(90℃、120℃のみ)、及び最大木口割れ長さの測定を行った。2)継続して調査を実施しているトラス形式の木橋について、構成部材の超音波伝播速度を測定した。さらに、超音波伝播速度をパラメーターとして、内部劣化診断の可能性について検討した。3)これまでに作成した「製材品の強度性能に関するデータベース」の略語および項目を元に、せん断試験に関するフォーマットを検討し、作成した。また、試作ソフトについて、従来のシステムとの比較、及び問題点を抽出し、改良を行った。当年度の研究成果:1)実大いす型方式によって得られたせん断強さは、試験体の密度との間で相関関係がみられたが、縦振動法によるヤング係数やせん断弾性係数との間には相関は認められなかった。また、曲げ方式によって得られたせん断強さは、乾燥温度が高くなるにつれて最大木口割れ長さ(内部割れ)の大きくなるため、せん断破壊が生じる確率が高くなる傾向を示した。特に、乾燥処理温度が135℃の試験体では、せん断破壊した試験体のせん断強さは曲げ破壊した試験体の最大せん断応力よりも小さく、内部割れがせん断強さに影響を及ぼしていることがわかった。2)木橋の部材について超音波伝播速度(Pundit)と穿孔抵抗(Resistograph)を測定した結果、長辺方向で超音波伝播速度が1200m/s以下だった箇所では、穿孔抵抗と短辺方向で連続的に測定した超音波伝播速度に著しい低下が認められた。また、部材内部における短辺方向で測定した超音波伝播速度の変化パターンと穿孔抵抗のそれとは類似した傾を示した。一方、長辺方向で測定した超音波伝播速度が2000m/s以上の箇所では、超音波伝播速度と穿孔抵抗はほぼ一定だった。したがって、超音波伝播速度は部材内部の密度変化(劣化範囲)の推定に有効であることがわかった。3)データ管理システムの基本設計に従った曲げ方式のせん断強さに関するデータフォーマットを作成した。また、試作したデータ管理ソフトをこれまでの方法と比較した結果、リレーショナルデータベースソフトをベースとして作成された試作ソフトは、それぞれの作業と項目が個々にかつ相互に関連付けられたため、一元管理できるようになり、各作業が容易となった。しかし、解析条件設定部分では、補正係数を算出する項目の関係が複雑で、算出するまでの行程が多かったため、インポートしたデータ部分と補正したデータ部分とを分離させるシステムへの改良を行った。ただし、データインポート部分については、所定のフォーマットを変更したファイルの作成に不具合が生じるため、インポート条件設定部分及びファイルを作成する作業部分の見直しの必要性が明らかになった。
カテゴリ 加工 乾燥 データ管理 データベース 評価法

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