限界環境応答機能の生理・生化学的解明と関連遺伝子の単離及び機能解明

課題名 限界環境応答機能の生理・生化学的解明と関連遺伝子の単離及び機能解明
課題番号 2003004442
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 限界環境応答機能の生理・生化学的解明と関連遺伝子の単離及び機能解明当年度の試験研究方法:自然光型環境制御室を使い、異なる環境条件下でクス等の稚樹を育成し、成長特性を解析した。ホウ素欠乏耐性細胞である1/20-B細胞、1/20-B細胞を100μMのホウ素を含む通常のMS培地に移植した1/20-BR細胞、及び耐性を持たない細胞(1/1-B)の、成長量、細胞壁ホウ素量、脱メチル化ペクチン量を測定した。1/20-B細胞等からのRNA調整方法を検討し、ペクチンメチルエステラ-ゼ(PME)遺伝子の発現解析を試みた。既知のカタラ-ゼ遺伝子(AaCat1)とは異なるカタラ-ゼ遺伝子(AaCat2)をクローニングし、塩基配列や発現様式の違いを調べた。ポプラの苗木にガンマ線(20時間当り0,10,20,50,100グレイ)を照射し成長特性を解析するとともに、DNAの修復に関与する遺伝子の単離を試みた。当年度の研究成果:異なる光条件下(100%透過、10%透過及び赤色光域除去)で育成された稚樹は、生育光量が多いほど成長が良かった。赤色光域除去区では、稚樹の節間が長くなる特徴が見られた。光-光合成曲線も生育光条件が良好なほど大きくなった。1/20-BR細胞の成長量及び細胞壁ホウ素量を測定した結果、継代後14日目の生重量は1/1-B細胞と変わらなかった。また、細胞壁ホウ素量は1/20-B細胞の約2倍であり、1/1-B細胞とほぼ同じ量であった。この結果は、1/20-B細胞の細胞壁におけるホウ素結合能は失われておらず、十分なホウ素条件下ではホウ素RG-II形成するということを示している。1/20-B細胞及び0-B細胞では1/1-B細胞に比べて、脱メチル化ペクチン量が増加していることが示された。これはPME活性の高さと一致しており、1/20-B細胞及び0-B細胞で観察されたPME活性の上昇がペクチンの構造に反映されていることを示している。継代後、0,2,6,10,14日目の1/1-B細胞及び1/20-B細胞からtotalRNAを抽出し、遺伝子発現特性の解析に取りかかった。すでに単離したカタラーゼ遺伝子(AaCat1)とは異なるカタラーゼ遺伝子(AaCat2)をクローニングした。アミノ酸配列の比較によるホモロジーの高さから、AaCat2にコードされるタンパク質は、AaCat1にコードされるタンパク質よりも、シロイヌナズナのCAT1やカボチャのcat1と同じ性質のものと考えられた。また、ノーザン分析の結果、AaCat1及びAaCat2の発現には明確な日周性があり、時間により発現量の著しい違いがあることがわかった。ガンマ線量50及び100グレイ照射で成長阻害や茎葉部での形態異常が見られたものの、ポプラ苗木は枯死しなかった。その後伸長した茎葉部は通常の形態を示した。また、DNAの修復に関与すると考えられるRad51の相同遺伝子をポプラから単離し、cDNAの塩基配列を決定した。
カテゴリ かぼちゃ 環境制御 光条件

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