課題名 |
きのこ類の形質転換に必要なベクター及び遺伝子導入技術の開発 |
課題番号 |
2003004445 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所
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研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2003 |
摘要 |
きのこ類の形質転換に必要なベクター及び遺伝子導入技術の開発当年度の試験研究方法:LTRの転写発現は出芽酵母のレポーター遺伝子系を用い、翻訳領域にコードされたタンパク質の発現は組換えタンパク質のベクター系により解析した。パーティクルガン法で導入した遺伝子がヒラタケ形質転換体で安定に保たれていることを調べるために、形質転換体と通常の栽培菌株を交配し、得られた交雑菌株について導入遺伝子の発現や染色体上の導入遺伝子の存在を解析した。当年度の研究成果:5'-LTR領域は、塩基配列の解析から予測された正しい転写方向で、かつ正しい読枠でレポーター遺伝子と融合した場合のみに出芽酵母で発現した。この結果は、marY1が転写活性を有していることのみならず、高等菌類共通の転写調節因子で制御されていることを示している。一方、marY1の翻訳領域に存在する逆転写酵素領域、RNA分解酵素領域、及びインテグラーゼ領域を大腸菌の組換えタンパク質ベクター系にクローニングしたところ、それぞれ予測された組換えタンパク質を得た。タンパク質レベルでも発現が見られたことは、このレトロエレメントが機能するレトロトランスポゾンであることを裏付けている。レトロトランスポゾンは一般的に遺伝子組換えに有効なことから、marY1はシイタケの新たな形質転換用ベクターの開発に有益であると考えられる。パーティクルガン法で作製したヒラタケ形質転換体と通常の栽培菌株とを交配して得られた交雑菌株は、導入遺伝子により付与されたハイグロマイシン耐性を示した。また、交雑菌株の染色体上に導入遺伝子が存在することも確認できた。つまり、パーティクルガン法で導入した遺伝子は安定にヒラタケ染色体に保持され、発現することが明らかになった。
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カテゴリ |
しいたけ
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