d 安全で快適な住環境の創出に向けた木質資源利用技術の開発

課題名 d 安全で快適な住環境の創出に向けた木質資源利用技術の開発
課題番号 2006008657
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 企画部
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 ・ 地域材から生産される強度特性の低い集成材ラミナについて、その強度とヤング係数や節径比との関係を明らかにした。また、地域に流通する強度特性の高いラミナの強度分布を明らかにした。これらの結果に基づいて、柱・はり部材として力学的効率性の高い異樹種ラミナ構成を誘導した。エゾマツ・トドマツ-ダフリカカラマツ、スギ-カラマツ、スギ-ダフリカカラマツ、スギ-ヒノキ、スギ-ベイマツ等の異樹種ラミナ構成集成材について、曲げ、圧縮、引張、せん断、めり込み強度を実大強度実験により評価した。これらの成果を、平成18年に行われた構造用集成材の日本農林規格の見直し検討委員会において「特定異等級構成集成材」として提案し、審議の結果採択された。改正された集成材の日本農林規格は告示・施行される予定である。 ・ 木質建材製造工程におけるVOC排出実態を解析したところ、LVL製造工場の熱圧締工程で木材由来VOCが多く含まれ、合板の熱圧締工程ではα-ピネン及びホルムアルデヒドが多く含まれていた。単板乾燥に供試したいずれの樹種においても、VOCとホルムアルデヒドが検出された。メラミン・ユリア樹脂接着剤使用合板のVOC濃度は、単板の数倍から数十倍であるのに比べ、水性高分子-イソシアネート系接着剤(API)使用合板のVOC濃度は、単板との差が小さかった。フローリング製造工場において紫外線硬化型塗料の塗装工程におけるVOC濃度は低い値を示した。今年度開発した水系UV硬化型塗料及び従来の水系常温乾燥型塗料について、乾燥・硬化の過程における排出総VOC濃度はいずれの塗料についても下塗り、上塗りとも極めて低く、水性化の効果が大きいことを示した。前年度開発した無溶剤型UV塗料を塗布した木材からのVOC放散は硬化1日後において指針値を下回った。以上より、VOC放散抑制には、API接着剤、水溶性または無溶剤塗料の使用が効果的であることを定量的に示した。 ・ 衝撃音遮断性能に優れた木質床構造の開発のため、木造軸組にビス留めした面材に遮音材を積層し、さらに衝撃緩衝性下地材として市販スギ樹皮ボード(厚さ25mm)あるいはフェルト(厚さ2mm、4mm、6mm)を敷き、仕上げに15mm厚合板を用いた木造モデル床を設計し、スギ樹皮ボードは、フェルトと同等以上の軽量衝撃緩衝性を有することを実証した。一定時間接触したときの用具と被験者の接触部位の温度変化測定および感応検査を行い、接触時間、界面温度の変化、収束温度等と接触感との関係を解析することにより、一定時間接触したときの温冷感を数値化するための手法を開発した。また、異なる使用環境における耐久化処理木材の評価技術に関して、JIS K1571と同じサイズの試験体を池の周り、ガードレール下(森林総研内)、7号暴露場で実施し、また含水率測定用に銅系薬剤で処理した試験片を一緒に埋め、経時的に重量減少を測定した。その結果、温湿度、雨量だけでなくマイクロクライメートの重要性が明らかになり、菌の密度・菌の種類を考慮した評価技術を開発した。
カテゴリ 乾燥 評価法 薬剤

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