d.田畑輪換の継続に伴う大豆生産力の低下要因の解明と対策技術の開発

課題名 d.田畑輪換の継続に伴う大豆生産力の低下要因の解明と対策技術の開発
課題番号 2006008464
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 田畑輪換研究チーム
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 秋田県大仙市、新潟県上越市、富山県富山市、福岡県筑後市から田畑輪換履歴の明らかな土壌を収集し、土壌有機物の消耗過程および土壌窒素肥沃度と可給態微量要素含有量、土壌の分散性、水分保持特性に及ぼす田畑輪換履歴の影響を解析するとともに、まず窒素供給の改善の視点から、堆肥と肥効調節型肥料の活用による大豆収量性向上試験、飼料用稲栽培による肥沃度回復試験を開始した。その結果、(1)田畑輪換を導入した圃場の土壌有機物の消耗は、主に200~400℃で分解する画分の減少によることを見いだした。この画分の維持には堆肥4t/10aの連用が有効であった。(2)転換畑大豆の生育量低下が著しい富山土壌では可給態微量要素含有量が小さく、子実でホウ素が潜在的に欠乏する可能性を見いだした。(3)特に粘土含量が高く粒径幅の小さい土壌の土質力学的性質は管理来歴の影響を受けやすかった。(4)畑期間を連続するほど大きくなる水分特性係数を見いだし、この係数は、土壌有機物含量が高いほど、水稲作のように湿潤条件下では小さくなり、風乾によって大きくなる程度が著しいことを明らかにした。(5)低湿重粘土水田では、暗渠の排水能力の変動は、乾燥収縮や膨潤・目詰まりによる亀裂の変化を強く反映していることを確認するとともに、亀裂進展シミュレーションモデルを作製した。(6)低湿重粘土の畑地化過程において、大豆収穫に伴う微量元素の持ち出し量を見積もるとともに、土壌中の可給態ホウ素含量が低下する事例を認め、より排水改善が行われていると、暗渠からの硝酸態窒素の流出量が増加する傾向を認めた。(7)大豆収量性の向上に堆肥の連用とシグモイド型肥効調節型肥料の基肥施用の効果があることを認め、灰色グライ土では乾土効果が発現すると、大豆生育後半の窒素供給が減少し生育が低下する傾向を把握した。(8)肥沃度回復試験では、牛ふん堆肥2t/10aを施用した場合、飼料イネの増収と収穫跡地土壌の窒素量の増加に有効であることを明らかにした。
カテゴリ 肥料 乾燥 飼料用作物 水田 大豆 輪作

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる