課題名 | a.果実の輸出等を促進する高品質果実安定供給のための基盤技術の開発 |
---|---|
課題番号 | 200709576 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
農業・食品産業技術総合研究機構,果樹研,果実鮮度保持研究チーム |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2007 |
摘要 | 1)もものエチレン受容体のmRNA量は1-MCP処理によっては大きく変動しないが、受容体たんぱく質量は有意に減少することが明らかとなり、このことから、ももでは1-MCP・受容体たんぱく質複合体の寿命が短いことが1-MCPによる鮮度保持効果が低い原因の一つであると推察された。2)もも果実において、収穫前にAVGを散布し、収穫後に1-MCPを処理すると、収穫後に両薬剤を併用した時と同程度の鮮度保持効果が認められた。3)もも果肉障害果において、障害部位ではソルビトール脱水素酵素及び可溶型スクラーゼの活性が低下していたが、両酵素活性は障害果の健全部位においても健全果よりも有意に低いことから、障害発生前に細胞機能が低下していると推測された。4)果実発育期間中の気温が約2℃異なる熊本と茨城において、もも「あかつき」の果実発育状況を調査した結果、幼果期の気温の上昇によって開花から硬核開始日までの日数が短縮され、果実発育期間が全体として短くなることが明らかになった。5)日本なし「二十世紀」の国内主要産地判別において、果梗および種子の元素濃度を測定することによって、判別的中率が向上し高い精度で判別できた。また、りんご「ふじ」の果梗および種子の元素濃度を分析することにより、日本産と外国産とを精度良く判別できることを明らかにした。6)18年度に開発した揺動式果実洗浄機の汎用型機を試作し、青森県のりんご輸出の現場で実証試験を行った。処理した約20トンのりんごは、全て植物防疫検査に合格し、台湾、上海、ドバイへ輸出された。本機による1果当たりのハダニ除去作業経費は1.5円となり、慣行のエアガン操作に係る人件費の約60%を削減することができた。7)検疫対象害虫であるハダニ類の殺虫効果が認められた炭酸ガス40%処理(35℃、24時間)を行った場合、「幸水」で5~7%、「ふじ」で最大24%の果実に商品性を損なう障害が発生した。一方、「つがる」、「ジョナゴールド」および「王林」では炭酸ガス60%処理(35℃、24時間)でも障害の発生は認められなかった。 |
カテゴリ | 害虫 加工 果肉障害 障害果 日本なし 品質保持 もも 薬剤 輸出 りんご |