| 課題名 | 寒地中規模酪農における集約放牧技術の確立 |
|---|---|
| 研究機関名 |
北海道立天北農業試験場 |
| 研究分担 |
牧草飼料科 草地環境科 技術普及部 |
| 研究期間 | 新H15~19 |
| 年度 | 2003 |
| 摘要 | (1)ペレニアルライグラス新品種「ポコロ」を活用した放牧草地の維持管理・利用技術の開発 (i) 試験目的 PR新品種「ポコロ」を利用した放牧草地の維持管理・利用技術を確立する。本年度は、現地放牧地における採食性の変動(採食ムラ)とその発生要因を解析する。 (ii) 試験結果ア) A農家放牧地は全般に不食過繁地が少なく、採食性が良好とみられる部分(以下、食地)といわゆる不食過繁地を除いて採食性が不良とみられる部分(以下、不食地)の採食性の差は比較的小さかった。イ) Bは不食地部分の不食過繁地割合が高いが、それを考慮しても採食量は不食地でやや多かったのに対し、同様に不食過繁地割合の高いDでは、採食量は食地で多かった。Cは過繁地が上記AおよびB、Dの中間的な圃場で、食地での採食量が多かった。ウ) 食地では、PRの割合が高く、また栄養価も高い場合が多かった。不食地では排ふん箇所と不食過繁地が多く掃除刈り後の残草(枯草)も多い。エ) Bでは、掃除刈り後に採食量が食地で高まった。このことは、放牧草の質的差異を反映している可能性がある。オ) 採食性の違いが観察で判断される理由として、短草利用であることが考えられ、必ずしもその食地で1回の採食量が不食地より多いとは限らなかった。一牧区内での変動要因としては、(1)放牧草の草種や品質の違い、(2)放牧草の品質よりも放牧管理による、のように分けられる。(2)天北型集約放牧システムの体系化と営農モデルの策定 (i) 試験目的多雪地帯における酪農経営が新たに放牧を導入したり、より放牧を重視した経営へ移行するためのプログラムを作成し、現地で組み立て実証する。本年度は集約的な放牧農家への移行条件を解明し、合わせて営農試験地に「ポコロ」を導入する。 (ii) 試験結果ア) 2戸の調査結果を基に立地条件について放牧草地マップを作成し、牛道、電気牧柵と水槽を増設した。イ) 放牧・舎飼期の飼養管理と放牧草地管理の調査から、2戸の酪農家の特徴が明らかとなった。ウ) 馴致を含めた放牧期間は両牧場とも180日以上、初めて放牧を導入したH牧場は放牧地の植生改善が、昼夜放牧のK牧場は春季の余剰草対策がそれぞれ課題であった。エ) H牧場の放牧導入効果は、舎飼年と比較して管理乳量は3.2kg/日・頭減少したが濃厚飼料給与量も3.1kg/日・頭削減できた。オ) 「ポコロ」追播は作溝型播種機を用い播種量PR2.5+WC0.3kg/10aで5月1日に実施したが、播種後の降雨量不足のため定着が悪く、晩秋の冠部被度は両牧場とも約11%と少なかった。(3)天北型集約放牧技術の経営評価と地域への波及効果の解明 (i) 試験目的多雪地帯における酪農経営が新たに放牧を導入したり放牧を重視した経営への移行過程の経営評価を営農条件別に明らかにする。本年度は先進的な放牧酪農家を対象に放牧技術の導入過程における技術変遷と経営収支の推移を明らかにする。 (ii) 試験結果ア)集約的放牧酪農経営の技術面・経営面の特徴は、舎飼から放牧へ移行する契機が事故牛の多発した点で共通していた。イ)放牧経営の飼養規模は、経産牛49、34頭で家族労働力2人を主たる労働力としていた。ウ)放牧経営の収益性を地域の優良舎飼経営と比較すると、経営全体の農業所得は下回るが、購入飼料費の節減などで所得率は30%を越え舎飼経営を上回っていた。エ)導入過程における技術面・経営面の変化は、A農家は昭和62年頃の高泌乳期から移行期を経て平成10年頃の安定した昼夜放牧へ移行し、この間に放牧草地へのペレニアルライグラス導入による植生改善や施肥改善により、濃厚飼料の給与量を日量15kgから8~9kgに削減し乳飼比を39%から17%へ低下させた。オ)B農家は、平成10年頃の放牧移行により放牧期の産乳量が増加し購入飼料費が1日1頭当たり285円から216円に減少した。こ の結果、乳飼比が23%から15%へ低下し成牛当たり農業所得が60千円から133千円に増加した。 |
| 研究対象 | 牧草 |
| 戦略 | 土地利用型農業 |
| 専門 | 栽培生理土壌肥料 |
| 部門 | 草地・飼料作 |
| カテゴリ | 肥料 寒地 経営管理 飼育技術 新品種 施肥 土壌管理技術 乳牛 播種 放牧技術 |