摘要 |
目的:東北6県全体では、平成15年度から新たに5品種(酒造好適米2品種,糯米1品種,新形質米2品種)が水稲奨励品種及び認定品種として採用される予定である。また、近年、高度耐冷性、低温発芽性、極多収性を有する外国稲品種・系統が注目され、それら遺伝資源を導入した品種・系統が育成されつつある。当研究室においても、それらを遺伝資源として品種開発に利用しているところであり、その特性把握は重要である。本試験は、当研究室が保有する遺伝資源の特性を把握し、有用な遺伝資源を交配母本として品種開発に利用することを目的とする。また、これら遺伝資源の適切な維持・保存管理を行う。到達目標:ア 保有する遺伝資源の特性を明らかにし、有用なものは交配母本として品種開発に用いる。イ 保有する遺伝資源を適切に維持・保存管理する。予定成果(初年目):・東北地域の主要な水稲奨励品種を供試し、生育特性・収量等のデータを得る。・交配母本利用、種子更新、展示等を目的に340品種・系統を供試する。 ・遺伝資源として保有する1170品種・系統を適切に維持・管理する。(8年目)期待効果:ア 諸特性(多収性、品質、食味、耐冷性、いもち耐病性、耐倒伏性、穂発芽性、低温発芽性等)に優れた系統、新規需要が期待できる新形質(低アミロース、有色素、巨大胚、低グルテリン、低アレルゲン等)を有する系統が育成される。 イ 新しい有用遺伝資源が見付かることにより、品種開発の幅が広がる。成果:ア 保有する遺伝資源を交配母本として系統の育成を行い、優れた特性を持つものは配布系統として、奨励品種決定試験に供試されている。 イ 酒造好適米「吟ぎんが」「ぎんおとめ」、耐冷性及び品質・食味の優れる「いわてっこ」、加工適性に優れる糯米「もち美人」が育成されている。
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