摘要 |
目的:ナガイモは収益性の高い土地利用型作物であるが、主要産地は北上川上流域を中心とした県北部であり、県全体の面積(約200ha)の7割以上を占めている。しかし、生産現場においては、栽培技術、導入系統、圃場条件が多様なため、収量・品質が不安定であり10a当たりの収量は近年2,000kg前後で推移しており、目標収量の3,000kgを下回っている現状である。これを解決するためには、現在導入されている品種・系統の再評価が必要である。また、ナガイモは窒素で10a当たり15kg前後投入されているが、基肥の利用率が高くないため、従来の収量・品質を維持する前提でも効率的施肥により減肥できる可能性が高い。一方、平成13年度から地域有機物資源の有効活用のため発酵豚ぷんの基肥代替を検討してきたが、ナガイモでの実用性が認められている。以上のことから、減化学肥料栽培のためには発酵豚ぷんを含めた地域有機物資源の利用、また、追肥作業省力化のためには肥効調節型肥料の利用が考えられるため、2つの肥培管理技術の検討を進めるとともに、この栽培法に適する品種・系統の育成も併せて検討し、地域ブランド化推進の資とする。到達目標:ア 地域有機物資源を用いた肥培管理技術の確立と適応系統の育成 イ 肥効調節型肥料を用いた肥培管理技術の確立と適応系統の育成予定成果(初年目):地域有機物資源および肥効調節型肥料利用栽培における品種・系統間差の把握期待効果:ア 地域有機物資源利用により化成肥料が50%削減できる。イ 肥効調節型肥料利用により追肥作業を省略できる。ウ 収量・品質の向上等により収益性が30%向上する。成果:ながいも栽培では、肥培管理あるいは系統などによる品質差がみられたが、発酵豚ぷんの実用性が認められた。また、子いも重が収量・品質に影響を与えていることが明らかとなった。
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