公共草地における粗砕カキ殻の土壌改良資材としての利用技術の確立

課題名 公共草地における粗砕カキ殻の土壌改良資材としての利用技術の確立
研究機関名 岩手県農業研究センター
研究分担 外山畜産
研究期間 新H16~20
年度 2003
摘要 目的:ア 県内の牧草地においては、老朽化した草地の土壌が酸性化し、牧草の生育障害が起こるなどの問題が顕著となっており、適正な土壌管理が求められている。イ 一方、本県沿岸地域では、カキ殻が大量に発生しており、その有効利用方法の確立が求められている。ウ すでに、粉末状にしたカキ殻が土壌改良資材として利用できることが明らかにされているが、粉末加工段階でコストがかかることが解決すべき課題として残されている。エ 同じ漁業系石灰質資源であるホタテ貝殻では、粗砕したものでも土壌改良効果が認められるとの報告があり、粗砕カキ殻でも同様な効果が期待できる。オ そこで、本課題では、地域有用資源である粗砕カキ殻の土壌改良効果を明らかにするとともに、飼料作物畑及び採草地への粗砕カキ殻の土壌改良資材としての利用技術を確立することを目的とする。到達目標:(ア)粗砕カキ殻の溶出特性を明らかにする。(イ)粗砕カキ殻の散布量を明らかにする。 (ウ)粗砕カキ殻の散布方法を明らかにする。予定成果(初年目):・粗砕カキ殻の溶出特性の解明・粗砕カキ殻の散布量の解明・粗砕カキ殻の土壌改良効果の解明 ・粗砕カキ殻の散布方法の解明 ・経済性の解明成果:ア 粉末カキ殻は、窒素、燐酸、加里のほか、微量成分を多く含み、炭酸カルシウムより土壌改良資材としての価値が高い。炭酸カルシウムに比べ中和速度は、やや遅いものの、効果に持続性があり、牧草のような永年作物の中和資材として好適である。牧草地に粉末カキ殻を多用しても、成長障害はなく収量が顕著に増加する(広島農業の研究、1970)。 イ アルファルファ草地での粉末カキ殻の土壌改良効果は大きく、粒度の増大に応じて施肥量を増やせば、初めから持続的な効果が期待できる(広島農業短大研報、1973)。ウ カキ殻は重金属(特に亜鉛)含有率が高いため、施用する場合には、重金属投入量からの施用上限を設けることが必要である(広島農短大報、1981)。エ 荒廃草地土壌を用いたオーチャードグラスのポット試験において、カキ殻粉末の添加は苦土炭酸カルシウムとほぼ同等のpH矯正効果があり、牧草地下部の生長を促進させることなどが示されている(東北農業試験研究発表会、2002)。オ ホタテ貝殻はアルカリ分(CaO換算)が50~56%であり、粒径により効果の発現が異なるものの、炭酸カルシウムと同等の土壌pH改善効果が期待できる。pH5と低い条件の褐色低地土や褐色森林土に施用した例では、体積比5~10%(7.5~15t/10aに相当)の投入量で土壌がpH6.5~7に改善された(北海道試験成績概要書、2002年)。
研究対象 牧草
専門 土壌肥料
部門 草地・飼料作
カテゴリ 肥料 アルファルファ 加工 コスト 飼料作物 施肥 土壌改良 土壌管理技術

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