課題名 |
哺乳ロボットを応用した省力管理技術の確立 |
研究機関名 |
岩手県農業研究センター
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研究分担 |
家畜飼養
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研究期間 |
新H15~17 |
年度 |
2003 |
摘要 |
目的:本県の酪農家一戸あたりの平均飼養頭数は約30頭と全国(約53頭)に比べ少ないものの確実に大規模化が進み(成牛50頭以上飼養農家は157戸)、搾乳作業や哺育作業等の過重労働からの解放が課題とされている。近年、全国的に搾乳ロボット(全国約90台、岩手3台)や哺乳ロボット(全国600台、岩手2台)の導入がめざましく、特に哺乳ロボットは急速に普及し、哺乳作業の省力化や子牛の成長促進等の有効性が報告されている。しかし、哺乳ロボットの活用において生後日齢が異なる子牛の一群管理による発育のばらつきや感染 性疾病発生時の蔓延等による損耗防止技術の確立が活用上の問題点として指摘されていることから、これらの未解決事項を明らかにし、哺乳ロボットを応用した哺育育成省力管理技術を確立する。さらに当所は、搾乳ロボット、自動給餌機、自動堆肥処理システムの省力管理施設を有しており、それらの有効性についてはすでに実証し、成果を報告しているところであるが、このシステムに哺乳ロボットを加えた、総合的な省力管理システムを構築する。到達目標:ア 哺乳ロボットを応用した哺育体系(哺乳回数・哺乳量)の確立イ 哺乳ロボット応用時発生する感染症の予防対策および占有子牛発生による発育不均衡の解消を図るための子牛導線システムの確立ウ 育成期の哺乳ロボットおよび搾乳牛自動管理施設(搾乳ロボット、自動給餌、自動堆肥処理)を応用した総合的管理システムの確立予定成果(初年目):・県内、県外の哺乳ロボット応用施設の現地視察調査 (哺乳施設と哺乳ロボットの機種選定・導入)・哺乳ロボットのシステムの検証 (哺乳子牛の誘導馴致方法等の確立)期待効果:ア 哺乳作業時間の短縮と軽労化および優良基礎子牛の確保 イ 早期発育および事故率の低下による哺育育成費のコスト低減ウ 超省力管理施設を応用したゆとりある酪農経営の構築成果:(1) 自動哺乳装置を用いて生後8日以降の子牛を哺育する場合、代用乳の給与量(慣行4l/日)を3l/日にすると、固形飼料(人工乳)の摂取量が増加し、発育、健康状態とも良好である。(福岡畜研、2001) (2) 自動哺乳システムを用いて哺育した子牛は、哺育期から群管理となるため離乳時におけるストレスは軽減され、その後の発育も順調になる。(八代田千鶴Dairy Japan 5月号、2001)(3) 代用乳給与量4l/日では6l/日より発育は高い傾向にあり、代用乳を節減できることが示された。また人工乳の採食量も多く、哺育期間を60日間より短縮できる可能性が示唆された。自動哺乳装置を利用した効果として、「省力化」、「下痢の減少」、「離乳後の慣れが早い」、問題点として、「呼吸器病が広がる」、「ドリンクステーションの占有」などが挙げられた。(道立畜試、2002) (4) 自動哺乳装置は哺乳作業時間の短縮が図られ、子牛の発育も概ね良好であるとの評価であるが、季節的に呼吸器病の流行と特定の子牛がドリンクステーションを占有することが問題点と指摘している。(畜産技術協会、2002)(5) 自動哺乳システムは、管理者の利点として哺乳作業の省力化等、子牛の利点として発育の促進や食餌性下痢の減少を挙げているが、感染性疾病の蔓延等を引き起こすためその対策を必要としている(瀬尾哲也Dairy Japan 5月号、2002)
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研究対象 |
乳用牛
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戦略 |
畜産
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専門 |
飼養管理
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部門 |
牛
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カテゴリ |
管理システム
経営管理
軽労化
飼育技術
自動管理
省力化
省力管理技術
大規模化
超省力
低コスト
乳牛
ロボット
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