摘要 |
目的:農水省は米麦など20作物について、品目別食料自給率目標値等を設定した。小麦は、現行自給率9%から平成22年に12%まで引き上げるというもので、国産小麦加工品の用途開発の強化が必要である。近年小麦の品種改良は急速に進み、特色ある小麦製品開発への道が開けつつある。都内では三多摩を中心に国産麦によるうどんが盛んに製造され、中華めん、パスタ、皮類等、多様な小麦製品の開発も期待されている。小麦新品種の成分特性を把握し、活用することで都内製めん業界の活性化を図り、総合食料自給率向上に寄与する。 計画:小麦新品種の特徴については、原料段階での成分、物性的特性について従来品との相違を見出し、加工原料としての明確な位置づけを行うとともに、これらを原料としためん製品の品質を把握する。(1)小麦新品種の原料評価 ・小麦新品種の成分的特徴の把握 ・めん原料としての物性および加工適性評価(2)小麦新品種を用いた製品の評価 ・小麦新品種によるめん製品の物性測定 ・中華めん、パスタ、皮類等の試作とその評価 成果:最近開発された小麦新品種14試料を各地の試験場から入手した。製粉試験の後、タンパク質、粉の色調、アミロース含有量などを測定した。その結果、たんぱく質やアミロースの比較的多い種類、あるいは色調が黄色を帯びるものなどを把握した。これらの結果より、めん製品への適性評価を実施し、今後は製品の物性試験などを行う。
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