課題名 |
高冷地果樹の新品種選定と栽培特性 |
研究機関名 |
岐阜県中山間農業技術研究所
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研究分担 |
本所
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研究期間 |
継H4~17 |
年度 |
2003 |
摘要 |
飛騨地域の主要品目であるモモ・リンゴの品種選定を行なうとともに、現状の経営に組み合わせることのできる特色ある品目を開発する。<研究成果>1) モモ有望早生品種の選定 飛騨地域に適したモモの早生有望品種を選定するため、他県公設試、民間育成の新品種5品種について特性を調査した結果、供試品種の中で‘ふくえくぼ’が基幹品種‘白鳳’より収穫期が1週間程度早く、対照品種の‘やまなし白鳳’と同等の収量で、糖度がやや高く、食味が良好であり有望と認めた。2) リンゴ有望品種の選定 飛騨地域に適したリンゴの有望品種を選定するため、他県公設試及び民間育成の新品種を導入し特性を調査した。いずれの品種もまだ若木であるため、継続検討が必要であると考えられた。高山市の生産者により育成された飛騨地域オリジナル品種「飛騨」において、現地で着色が優れる枝変わり系統が見いだされたため、その特性を比較検討した結果、普通系に比べ着色が優れることが確認されたが、着色ムラのある果実の発生が多く継続検討が必要と考えられた。" "3) ヤマブドウ栽培のマニュアル化 ヤマブドウを、トマト栽培等で使用している間口6mのパイプハウスで雨除け栽培した結果、殺菌剤無散布でも晩腐病、ベト病の被害が極めて低く抑えられ、高品質な果実が生産できることを明らかとした。当研究所収集並びに旧寒冷地林業試験場収集のヤマブドウ雌株系統の特性を調査した結果、着粒数が多く多収で品質の良い系統を選抜した。4) モモ・リンゴのぎふクリーン農業推進に向けた化学農薬代替技術の開発モモに対する改良型性フェロモン剤(シンクイムシ類、ハマキムシ類、モモハモグリガに対する複合交信攪乱剤およびコスカシバに対する交信攪乱剤の2剤)について、従来の剤より設置本数を削減し実用性を検討した結果、いずれも設置本数削減下で高い交信攪乱効果が確認され実用性が高いと判定された。 5) リンゴの低樹高化による省力栽培 リンゴの低樹高・軽作業わい化栽培法を確立するため、飛騨地域に適した新しい仕立て法について検討した結果、10年生樹(‘ふじ’結実7年目)では慣行の細型紡錘形に比較しいずれの仕立て法でも低樹高化が図られ、中でも斜立形が収量性が高く作業効率も優れることが明らかとなった。 また、(独)農・生研機果樹研究所育成の新わい性台木‘JM5’‘JM7’について当地域における適応性を基幹品種である‘ふじ’で検討した結果、‘JM5’はわい化効果が強すぎ当地域には不適であると判断された。‘JM7’は慣行の‘M9’よりわい化効果がやや弱いが、初期収量がやや多く健全果率も高く、継続して適応性を調査する必要があると考えられた。"
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研究対象 |
モモ、リンゴ
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戦略 |
園芸
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専門 |
育種
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部門 |
果樹
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カテゴリ |
病害虫
育種
くり
経営管理
新品種
性フェロモン
台木
低樹高
トマト
農薬
品種
ぶどう
もも
良食味
りんご
わい化
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