黒毛和種去勢牛の産肉成績と血中ビタミンA濃度の推移との関連性

課題名 黒毛和種去勢牛の産肉成績と血中ビタミンA濃度の推移との関連性
研究機関名 和歌山県農林水産総合技術センター畜産試験場
研究分担 大家畜部
研究期間 継H11~
年度 2003
摘要 目的:より適切なビタミンAのコントロールを知るため、黒毛和種去勢牛の産肉成績と肥育に伴う血中ビタミンA濃度の推移との関連性について検証した。計画:平成11年4月から平成14年8月にかけて調査を実施。供試牛は黒毛和種14頭で肥育試験の対照牛を使用した。ビタミンA製剤は肥育前期の濃厚飼料中に0.1%、中期は無添加、後期は0.05%添加した。調査項目は増体成績、枝肉成績、各月齢毎の血中ビタミンA濃度の推移を調査した。 成果:1)1日当たり増体量(DG)と血中ビタミンA濃度の推移は、供試牛の全頭のDG平均値以下の牛群と平均値以上の牛群との間に15,16,25か月齢で有意差が認められ、平均値以上の牛群が低く推移した。よって平均値以上牛群は平均値以下牛群より増体するためビタミンAを消耗したと推察される。2)ロース芯面積と血中ビタミンA濃度の推移は、供試牛全頭のロース芯面積平均値以上の牛群と平均値以下の牛群との間に13,14,15,25か月齢で有意差が認められ、平均値以上牛群が高い値でで推移した。この時期の飼料摂取量が平均値以上牛群の方が平均値以下牛群より多かったと推察される。3)BMSナンバーと血中ビタミンA濃度の推移は、供試牛全頭のBMSナンバー平均値以下の牛群と平均値以上の牛群との間に15,19か月齢で有意差が認められ、平均値以下牛群が急激に低下する推移を示した。よってこの時期に血中ビタミンA濃度は低い方が良いとされるが、急激に低下するような不安定な推移を示すような飼養管理をしないことが必要と考えられる。4)BCSナンバーと血中ビタミンA濃度の推移は、供試牛全頭のBCSナンバー平均値以上の牛群と平均値以下の牛群との間に24か月齢で有意差が認められ、平均値以上牛群が低い値となった。肥育後期は肉色を良くするためにはあまり血中ビタミンA濃度が高くない方が良いと推察される。以上のことから、今まで報告されたデータをあらためて検証し確認する結果となった。 成果の受け渡し先:平成14年度和歌山県業績発表会で発表、和歌山県農林水産総合技術センター研究報告第4号に掲載、平成15年度獣医三学会(近畿)で発表。残された問題点等:牛の系統、形質、肥育期間等の様々な要因で、各々最適なコントロール方法があると考えられるので、今後も調査を継続してデータを蓄積し、より応用のきくコントロール方法を検討していく。
研究対象
戦略  畜産
専門 飼養管理
部門
カテゴリ きく 飼育技術

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