課題名 |
難防除病害虫防除技術確立事業 |
研究機関名 |
鳥取県園芸試験場
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研究分担 |
環境
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研究期間 |
継H12~ 16 |
年度 |
2003 |
摘要 |
カビ梨症から分離された菌株を健全果実に接種し、症状が再現され、接種菌の再分離が可能か検討した結果、ナシ汚果病の赤アザ型病斑については接種試験により再現されたが、カビ梨症特有の貯蔵中の果実萎縮症状は再現されなかった。また、カビ梨から比較的に高頻度に分離される菌として6菌株と岡山農試から分譲されたナシ汚果病菌(Hyalodendron sp.)のrDNAのITS領域及びLSU D1/D2領域の部分塩基配列を解析した結果、カビ梨果実から分離された菌のうち、W系統はAcaromyces ingoldii、F系統はMeira sp.と推定された。ナシ萎縮病発病樹から分離されたPhellinus属を推定するため、分離菌のrDNA ITS領域及びLSUの部分塩基配列を解析し、分子生物学的同定を試みた結果、国内で採取したナシ萎縮病分離菌株は遺伝的に近縁であり、いずれもF. robusta(P. robstus) groupに属するPhellinus属菌であると考えられた。ナガイモの不萌芽は、植え付けたイモが発芽せずに地中で腐敗してしまう症状である。原因は主に青かび病菌である。しかし、地下水位が高く、収穫したイモが腐敗する農家には、不萌芽の現象が多く、収穫したイモから細菌の噴出が確認され、細菌関与の可能性も否定できない。そこで、収穫後の腐敗した種イモから分離した細菌と不萌芽の関係について調査した結果、細菌を接種した切イモおよび無接種の切イモの萌芽率でほぼ同等であり、不萌芽のイモからタネバエが高率に検出されたことから、不萌芽の原因として、細菌の関与は明らかにできなかった。 大栄町では毎年スイカの急性萎凋症が発生し、大きな被害を被っているため、発生圃場から菌の分離を行い、発生要因の推測を行った結果、急性萎凋症は様々な菌が関与すると考えられ、農家毎に原因を診断する必要があった。カボチャ台木から分離される菌は少なく、病原菌の関与は低いと考えられた。各圃場ごとに病原菌は多様であったが、病原性のある菌が認められ、急性萎凋症の原因として病原菌の存在がうかがわれた。還元消毒のスイカ急性萎凋症に対する防除効果を検討した結果、還元消毒は完全な防除効果が認められなかったが、約1か月の急性萎凋症の遅延効果が認められた。今後、後作と効果の持続期間の関係を検討する必要があった。還元消毒の殺菌効果を検討の結果から、フスマ1%混和、30℃、20日間処理によってホモプシス根腐病菌およびつる割病菌は死滅することが分かった。還元消毒時のハウス内のトンネル被覆による昇温効果について地温を調査した結果、表面一重被覆と比較して、ハウス内端のトンネル二重被覆処理の地温は高くなり、有効積算地温が増加して、消毒期間が短縮できる有効な手法と考えられた。さらに、初期の地温が上がりやすいため、消毒開始初期の天候が重要となる還元消毒にも有効な手法と考えられた。スイカ菌核病は、果実に発生すると収穫できない重要病害である。菌核病は菌核で越年し、地表面にある菌核が第一次伝染源となる。そこで、還元消毒による菌核病菌の殺菌効果を確認した結果から、還元消毒は深さ20cmまでの菌核病菌の菌核を死滅させることが分かった。還元消毒は、第一次伝染源の菌核の菌密度を減少させるため、菌核病の防除に有効と考えられた。花蕾下に発生するべと病(通称:組織内べと)が秋冬どりブロッコリーに発生しているため、新規薬剤、リン酸(亜リン酸)液剤による散布効果と防除適期を検討の結果、リドミルMZ水和剤1,000倍は散布時期に関わらず、花蕾に発生するべと病を抑制した。2月収穫ブロッコリーでは花蕾形成期11月の薬剤散布により防除効果が上がった。
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研究対象 |
共通
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戦略 |
園芸
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専門 |
病害、虫害、栽培、経営
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部門 |
果樹、野菜
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カテゴリ |
害虫
かぼちゃ
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防除
薬剤
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