課題名 | 冬季寡日照・積雪地帯における枝物花木類の栽培体系の確立 |
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研究機関名 |
鳥取県園芸試験場 |
研究分担 |
日南試験地 花き研 |
研究期間 | 完H12~15 |
年度 | 2003 |
摘要 | 中国山地自生花木であるムシカリを早期成園化するための育苗方法を検討の結果、挿し木での繁殖方法が有望であると考えられた。カンボクを早期成園化するための適正栽植密度と施肥量を検討の結果、栽植密度と施肥量の違いによる生育の差は認められなかったが、株間2m、窒素量60gで切り枝品質が優る傾向が認められた。ヒサカキの摘心および耐雪型の仕立て方法が生育に及ぼす影響について調査の結果、這い性の樹形のものが枝の伸長量が大きく、枝のボリュームがある傾向があった。摘心、整枝が生育に及ぼす影響については這い性で効果が認められたが立ち性では判然としなかった。ノイバラの省力収穫向き仕立てが収量・品質および粗収益に及ぼす影響を調査の結果、ノイバラの収穫位置を30cmに高め、強誘引とすることで、品質が向上し、収量が増加することが明らかになった。ノイバラの各仕立てに投下される労働時間を定植後3か年にわたって調査の結果、ノイバラの仕立てを強誘引とすれば、定植後2年目以降の年間労働時間が、放任栽培の70%以下に短縮出来ることが明らかになった。ツルウメモドキの省力収穫向き仕立てが収量・品質および粗収益に及ぼす影響を調査の結果、ツルウメモドキは2株を寄せ植えし、強誘引とすれば、慣行の放任に比べて秀優品収量と粗収益が大幅に増加することが明らかになった。ツルウメモドキの各仕立てに投下される労働時間を定植後3か年にわたって調査の結果、ツルウメモドキの仕立てを強誘引とすれば、定植後2年目以降の年間労働時間が、放任栽培の60%以下に短縮出来ることが明らかになった。収穫から水浸漬するまでの時間の違いが、ヒサカキの鮮度保持に及ぼす影響について検討の結果、収穫後なるべく短時間に水浸漬すると、調製後の水揚げ期間の新鮮重の変化が少なくなることが明らかとなった。しかし、出荷を想定した24時間の箱詰め期間を経ると、処理間の差は判然としなかった。各種前処理剤がヒサカキの鮮度保持に及ぼす効果について検討の結果、ヒサカキはエテホンを吸収すると落葉を促進することが明らかとなった。このことから、ヒサカキの落葉には、エチレンも関与している可能性が示唆された。ヒサカキに果実を着生させないで、果実のないものを出荷するため、摘花剤の利用技術を検討の結果、石灰硫黄合剤20倍液およびスイカル50倍液の3回散布処理は、着果抑制効果を示し、ニーズを加用することで、その効果が増すことが明らかになった。しかし、散布時期により、その効果には振れが生じることも確認された。ヒサカキに果実を着生させないで、果実のないものを出荷するため、摘果剤の利用技術を検討の結果、ミクロデナポン350倍液はヒサカキの摘果剤として、実用性が高いことが明らかとなった。蒸散抑制剤の散布処理が、水生け後のノイバラの吸水および新鮮重の変化に及ぼす影響を調査し、鮮度保持効果を検討の結果、蒸散抑制剤を散布処理すると、収穫したノイバラにおいても、水分蒸散を抑制することが確認できたが、その効果は僅かであり、鮮度保持に対する効果は明らかでなかった。 摘葉は現在手作業で行われているが、10aの出荷には10人以上を要する。そこで、簡易な落葉促進法を検討の結果、ツルウメモドキ落葉促進のためのエテホン処理は、400ppmでは2日、200ppmでは3日が効果的だった。一方、十分な効果とは言えないが、ノイバラの落葉にはエテホン800ppmの6日処理が有効と判断した。 |
研究対象 | 花木 |
戦略 | 園芸 |
専門 | 栽培 |
部門 | 花き |
カテゴリ | 育苗 うめ 栽培技術 栽培体系 挿し木 シカ 出荷調整 施肥 早期成園化 ばら 繁殖性改善 |