摘要 |
1 迅速かつ簡便なワケギウイルス診断キットの開発OYDV診断用抗血清を作成した。抗原としたウイルスはOYDV単独感染ワケギの汁液をネギ実生苗へ接種・増殖後,純化した。GLV診断用抗血清は抗原となるウイルスの増殖量が少ないため,次年度,さらにウイルスを増殖する。RIPA法に用いるラテックスへの抗体感作時のpH,処理温度及び濃度を明らかにした。純化ウイルスとの抗体反応は良好であったが,植物汁液とは非特異的反応が認められるため,次年度,試料調整時の緩衝液の組成を検討する。2カンキツのウイロイドおよびウイルスの迅速検出法の実用化検討と産地での感染実態の解明 平成14年度調査でRT-PCR法によりCCaVdの陽性反応を確認したレモン8樹について,ウイロイドの塩基配列の調査を行うとともに,神戸植物防疫所へ生物検定を依頼した(検定結果は約3年後に判明)。ウイロイドの塩基配列は3パターンであり,その内1パターンは病原性である可能性が示唆された。また,県内で栽培されている主要な13品種について罹病実態を調査した。その結果,多くの品種で0~4種類のウイロイド等の保毒が確認され,苗木導入での保毒も認められたことから,苗木生産段階からのフリー化体制が重要と考えられた。
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