タイトル | コントラクターを主体とした草地管理と家畜ふん尿利用システム |
---|---|
担当機関 | 根釧農試 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
岡田 直樹(中央農試) 原 仁 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 酪農専業地帯で、家畜ふん尿による環境負荷を軽減するには、農家の草地管理と 家畜ふん尿利用を支援する地域的な取り組みが必須である。そのため、農協コントラクタ ーを主体とした具体的な取り組み事項とそれを進める推進体制を策定した。 |
キーワード | 家畜ふん尿、コントラクター、草地管理、環境負荷軽減 |
背景・ねらい | 酪農専業地帯においても総乳牛頭数の減少が続いているが、個別経営単位でみると依然 と規模拡大を進めている経営が多い。地域的には家畜ふん尿が大規模経営に偏る傾向にあ り、今後のどのように処理・利用していくかが課題となっている。そこで、近年、利用が 進展しているコントラクターを主体とした草地管理と家畜ふん尿利用を実現する具体的推 進方策を策定する。 |
成果の内容・特徴 | 1.A農協管内の乳牛飼養密度(乳牛成換頭数/草地面積)は 1.5 頭/ha であるが、遠隔 地や傾斜地、湿地等のふん尿を散布できない草地割合が2割あると仮定すると、余剰ふん 尿対策が必要となる乳牛飼養密度 2.0 頭/ha を超える割合が農家戸数、草地面積とも3割 以上となる(表1)。環境負荷を招かない適切な家畜ふん尿利用を推進するためには、草 地の植生や土壌診断に基づく施肥の啓発・推進とともに、地域内で乳牛飼養密度が異なる 経営間でのふん尿移動を含めた循環利用を継続的に推進するふん尿の地域的な利用システ ムの確立が急務である。 2.全道のコントラクターの活動状況をみると、「堆肥調整散布等」および「スラリー散 布」の処理面積が高い増加率を示しており、地域のふん尿利用においてもコントラクター が、今後益々重要な役割を担っていくことが期待される(表2)。 3.地域の受委託作業の中心的な役割を果たす農協コントラクターは、運営上の特徴から、 専任職員を要する農協直営型、専任職員を要しない農協調整型、農協が複数の利用組合を 支援する農協主導型が認められるが、現在、いずれの場合もふん尿利用において地域的な 取り組みは行われていない。地域的な取り組みに向けては、農協コントラクターを中心と した取り組みに加え、草地を管理できる人材の育成やふん尿散布の委託量の取りまとめ、 調整を行う仕組みと支援組織の役割が重要である(表3)。 4.提示するシステムは、地域での取り組み実現を目指し、まず、具体的な取り組み事項 について明らかし、次に、それらの取り組み事項を円滑に進めるための推進体制と参加す る機関および農家が互いに連携して進めることのできるように、それぞれがどのような役 割を担うのかを明確にした。 上記方法で、酪農専業地帯で活用することを前提に、コントラクターを主体とした草地 管理と家畜ふん尿利用システムの具体的な推進方策を提示した(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.環境負荷の軽減に取り組む酪農専業地帯で活用できる。 2.環境保全に対して消極的な地域においては、特に指導機関からの積極的な働き掛けが必要である。 |
カテゴリ | 規模拡大 経営管理 傾斜地 コントラクター 施肥 大規模経営 土壌診断 乳牛 |