2 回代かきを利用した水稲の減・無除草剤栽培技術

タイトル 2 回代かきを利用した水稲の減・無除草剤栽培技術
担当機関 北海道立中央農業試験場
研究期間 1999~2003
研究担当者 古原 洋(道立中央農試)
佐々木 亮(道立上川農試)
菅原 彰(道立中央農試)
相川 宗嚴
発行年度 2003
要約 水田雑草の発生パターンは簡易有効積算温度により予測が可能で、雑草発生量が 50%~70%に達する 6 月第 1 半旬に 2 回目の代かきを行うと除草効果が得られる。2 回代 かきと成分除草剤を組み合わせると、残草量は対無処理区比で平均 1%となり減除草剤栽 培が可能である。また2回代かきのみで除草を行うと残草量は対無処理区比で平均13%と なり無除草剤栽培が可能となる。
キーワード イネ、雑草、代かき、除草
背景・ねらい 水稲で減・無除草剤栽培を行う場合、作業能率の高い除草方法が必要である。代かきは 従来から除草効果があると指摘され、その作業能率は通常使用されている動力除草機の約 3倍、4~5ha/日と高い。しかし、具体的な除草効果については未検討である。本試験では、 雑草の発生消長、代かき時期・回数と除草効果の検討を行い、2 回の代かきを行うことに よる、1分除草剤を使用する減除草剤栽培、あるいは無除草剤栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴 1.雑草の 50%が発生する簡易有効積算温度(村上ら、1982)は、各草種とも 105~130°Cの範囲にあり、この有効積算温度に達する日は道立中央農試・岩見沢試験地(岩見沢市)、 道立上川農試(比布町)ともほぼ 5 月第 6 半旬である。70%が発生する時期はほぼ 6 月第 1 半旬である(表 1)。
2.雑草の発生パターンは、慣行栽培(5 月 21 日移椊)で概ね移椊 10 日後にピークを示し、 30 日後にほぼ発生が見られなくなる。これに対して、2 回代かき(5 月 31 日移椊、雑 草 50%発生期の直前)のピークの雑草発生量は大きく低下し、除草効果が認められる。 2回代かき(6月13日移椊、雑草70%発生期)では、この傾向がさらに大きい(図1)。
3.2 回目の代かき(6 月上旬実施)と 1分除草剤(プレチラクロール)を組み合わせた 区の残草量は,無処理区に対比して平均 1%である。本栽培法における精玄米収量は慣 行栽培区に対比して平均 99%である。しかし、80%程度まで減収する年もある(表 3)。
4.2回目の代かきを6月上旬に行う無除草剤栽培の残草量は、無処理区に対比して平均13% である。また精玄米収量は慣行栽培に対比して平均 89%である。しかし、70%程度ま で減収する年もある(表 4)。
5.以上を取りまとめると、代かきを 2 回実施することで、除草剤の使用回数を 1 回(成分 回数)にする減除草剤栽培、および除草剤を使用しない無除草剤栽培が可能である。
成果の活用面・留意点 (1)特別栽培米、有機栽培米およびクリーン農業の実施に活用する。
(2)本栽培法は成苗機械移椊に適用する。
(3)水稲機械移椊栽培基準の晩限(成苗ポットで 6 月 5 日)を守る。
(4)本成果の施肥法は全量側条施肥、または育苗箱施肥と側条施肥の組み合わせによる。
カテゴリ 有機栽培 病害虫 育苗 くり 栽培技術 雑草 除草 除草機 除草剤 水田 水稲 施肥

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