小球開花・小輪性テッポウユリタイプユリ新品種「Li-19」

タイトル 小球開花・小輪性テッポウユリタイプユリ新品種「Li-19」
担当機関
研究期間 2001~2005
研究担当者 玉掛秀人
生方雅男
大宮 知
発行年度 2003
要約 花ユリ「Li-19」はシンテッポウユリ「ホワイトランサー」と小輪の野生種チョウセンヒメユリを交配し、胚珠培養技術を利用して育成した明鮮橙色の小輪性品種である。 球周8~10cmの球根で4~7輪咲きの切花となり、りん片挿しによる一年球の多くを切花栽 培に利用できる。
キーワード ユリ、新品種、胚珠培養、小輪、小球開花性、一年球
背景・ねらい 花ユリは北海道における主要な切花品目であるが、オリエンタル系品種への偏りが大きく、 市場・流通関係者から嗜好の多様化や家庭消費による新たな需要の増加への対応のため、ス カシユリ系やテッポウユリ系など多様な生産が求められている。また、産地からは道外産地 との差別化を図れる独自品種の育成も望まれている。これらのことから、胚珠培養技術を利 用し、シンテッポウユリのような草姿で鮮やかな花色をを有する従来にはない小輪品種の育を行った。
成果の内容・特徴 1.シンテッポウユリ「ホワイトランサー」(白色)と小輪性の野生種チョウセンヒメユリ (赤橙色)を交配し、胚珠培養を利用して小輪品種「Li-19」を育成した。
2.「Li-19」の花径は98~100mmで花色は明るい鮮橙色、テッポウユリとスカシユリ中間的な花形を有する(表1)。花弁はやや光沢を有し、斑点や香りは無い(写真)。
3.花房の形は総状(段咲き)で、花向きは垂直方向より約30度の上向き咲きであるため、 花束やアレンジメントに使いやすく、輸送での箱詰めもしやすい(写真)。
4.小さい球根でも花蕾が多くつき、球周8~10cm球では5-6輪または7-8輪規格の切花を、 同10~12cm球では7-8輪規格の切花を多く採花できる(図)。
5.りん片挿しでは1.4gのりん片から約1.5個の一年球を形成し、増殖性に優れる(表2)。 また、本圃への定植・養成栽培によって得られる一年球の肥大性にも優れる。球周8cm以上球根の占める割合は約67%であり(表2)、一年球の多くを切花栽培に利用できることか ら、球根生産の省力・効率化と切花生産での種苗費の低減が可能である。
成果の活用面・留意点 1.普及対象地域は全道のユリ栽培地域とする。凍結貯蔵球利用による5月定植作型での成 績であり、長期抑制および促成作型は未検討である。
2.多輪性が強いため大きい球根の使用は避け、球周8~10cmまたは10~12cmの小球根を使 用する。また、球根生産では球周8~12cmの一年球を出荷し、8cm未満の極小球のみ2年養を行う。
3.葉枯病がやや発生しやすいので、発生動向に注意し、スカシユリ系品種に準じた適切な 防除を行う。
カテゴリ 病害虫 栽培技術 出荷調整 新品種 品種 防除 輸送 ゆり

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