ケンタッキーブルーグラス主体放牧草地における軽種馬の栄養摂取量

タイトル ケンタッキーブルーグラス主体放牧草地における軽種馬の栄養摂取量
担当機関 道畜産試
研究期間 2000~2002
研究担当者 葛岡修二 
出口健三郎
中村克己
八代田千鶴
澤田嘉昭
発行年度 2003
要約 馬による放牧草の乾物消化率、TDNおよび可消化エネルギーは低消化性繊維(Ob)含量から 推定できる。ケンタッキーブルーグラス主体放牧草地における馬の乾物採食量は体重比2. 00%~2.63%の範囲で割り当て草量、気象要因などにより変動し、CPおよびDE摂取量は常
キーワード 馬、乾物消化率、可消化エネルギー、採食量、放牧
背景・ねらい 放牧草地における軽種馬の採食量や栄養摂取量については報告が少なく不明な点が多い。そこで、 まず、成分含量から放牧草の乾物消化率(DMD)、TDN および可消化エネルギー(DE)含量の推定 方法を確立することを目的とし、模擬放牧草の消化試験を実施する。
次にケンタッキーブルーグラス主体草地に軽種馬を放牧し、排糞量の測定と前述の栄養価推定値 を組み合わせることにより、放牧地における軽種馬の乾物摂取量および栄養摂取量を明らかにする。
放牧試験の実施にあたっては行動観察、草量調査を実施し、採食量の変動要因についても明らか にする。
成果の内容・特徴 1. 軽種馬による模擬放牧草の消化試験結果と既報の乾草・サイレージの消化試験結果を込みにし
て、採草から放牧草までの DMD 含量を Ob 含量から推定できる(図 1)。また TDN および DE 含量の 推定についても同様である。
DMD(%) =92.96-0.78×Ob TDN(%) =91.57-0.78×Ob DE(Mcal/kg)=4.482-0.0404×Ob
(n=15, r2=0.94,SE=2.21,Ob;低消化性繊維) (n=15, r2=0.94,SE=2.23, 〃 ) (n=15, r2=0.88, SE=0.14, 〃 )
2. ケンタッキーブルーグラス主体放牧地において軽種馬の摂取した放牧草の栄養価は、CPおよび 繊維成分には季節的な変動が認められたが、DMD および DE 含量ではほとんど変動しなかった(表 1)。馬が栄養価の高い部位を選択的に採食した結果が反映されている。
3. 軽種馬のケンタッキーブルーグラス放牧草地における採食量は体重比2.00%~2.63%の範囲で ある(表 2、図 2)。
4. 採食量は割り当て草量が500kgまで増加する(図2)。 5. 割り当て草量と関連しない採食量低下(図 2)について気象と行動観察データから解析したと
ころ、気温の上昇および日照時間の増加と一致した日陰での立位休息行動が確認された図 3)。こ
のことから、暑熱ストレスは採食時間の減少および採食量の低下をもたらすといえる。 6. 栄養摂取量はCP、DEともに成馬の維持要求量を大きく上回り、特にCP充足率は300%を超 えていた (表 2)。このことから、放牧地からの摂取量を制限し、CP 含量の低い併給飼料の補給
をするなどの飼養管理方法が必要である。
成果の活用面・留意点 1. 軽種馬放牧時の飼料給与設計に活用できる。
カテゴリ さやいんげん 飼育技術

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