タイトル | フレール式ロールベーラで収穫調製したイネ発酵粗飼料の発酵品質および栄養価 |
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担当機関 | 道畜産試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
出口健三郎 中村克己 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 道内で栽培されたイネについて熟期別飼料成分表を作成。フレール式ロールベーラにより収 |
キーワード | イネ発酵粗飼料、道産イネ、フレール式、栄養価、発酵品質、嗜好性 |
背景・ねらい | イネ発酵粗飼料(WCS)は、発酵に使われる水溶性糖類含量および乳酸菌の付着が少ないこと、桿 が硬くロールにしたときに空気の排除が困難なことなどにより良好なサイレージ調製が難しいとさ れている。 近年、作業性の向上と発酵品質の向上を目的にフレール式ロールベーラ(ヤンマーYMH1400)が開 発された。これはフレール式チョッパーにより植物体を叩き切り、ホッパーで吹き上げられた試料 をロールにするタイプの作業機械であり、道内においても一部の地域で導入されている。ここでは 本機種を用いたときの WCS発酵品質と栄養価を調べる。 また、これまで北海道内ではイネの飼料用生産・利用についての情報がないことから、道内で栽 培されたイネについての熟期別成分表を作成する。 |
成果の内容・特徴 | 下、V スコアは平均で 99 点と発酵は良好である。フレール式ロールベーラの利用は良質発 酵のために有効である(表 2)。 3. フレール式ロールベーラで調製した WCS籾は、フレール式チョッパーで叩き切られたこ とにより約 66%が穂から分離した状態である。WCS 中籾のルーメン内での乾物分解率は、 圧扁トウモロコシと比較すると極めて低いが、穂から分離した籾(「傷籾」)の方が穂に残っ た籾(「通常籾」)より常に高く推移した(図 1)。籾に傷が付いたことにより胃液の侵入が容 易になり、消化性が向上している。 4. フレール式ロールベーラで収穫調製された WCS TDN 含量は 48%であり、成分消化率で はでんぷん消化率が 90%と高い(表 3)。 5. 黄熟期 WCS搾乳牛による嗜好性はチモシー1番草出穂期刈りサイレージよりやや低い ( 表 4 )。 |
成果の活用面・留意点 | 1. イネの飼料用生産・給与に利用できる。 2. 収穫時に籾の損失がやや多いことに留意。 |
カテゴリ | 飼料用作物 とうもろこし 乳牛 |