ルーメン内分解特性に基づく炭水化物及びタンパク質成分を加味した新飼料成 分表

タイトル ルーメン内分解特性に基づく炭水化物及びタンパク質成分を加味した新飼料成 分表
担当機関 根釧農試
研究期間 1999~2003
研究担当者 原 悟志
出口健三郎
大坂 郁夫
発行年度 2003
要約 新しい飼料設計システム(NRC 飼養標準、CPM デーリィ)を活用するため、流通単味 濃厚飼料および自給粗飼料について、糖や溶解性繊維等を含む新たな飼料成分表を作成した。 牧草サイレージとトウモロコシサイレージの一部成分について近赤外分析が可能である。
キーワード 飼料成分表、炭水化物分画、溶解性繊維、乳牛、飼料設計
背景・ねらい 乳牛の消化生理を考慮した新しい飼料設計システムを活用するため、道内で利用されている 流通単味濃厚飼料および自給粗飼料について、新たな飼料成分表を作成する。道内の飼料分析 センターにおいても一部新しい飼料成分に対応できるようにするため、牧草サイレージとトウ モロコシサイレージの成分について近赤外分析するための検量線を作成する。
成果の内容・特徴 1.流通濃厚飼料、牧草サイレ-ジ・乾草、トウモロコシサイレージについて、ルーメン内で分解特性を表す成分(糖、溶解性繊維、リグニン、NPN、NDIP、CP・NDF 分解速度等)を明ら かにした(表 1、2)。
2.道内で流通・生産されている飼料の糖含量は CPM分表と比較して総じて低い。また、第 一胃内 NDF 分解速度では、牧草サイレ-ジで高く、トウモロコシサイレージでは低い(表 3、4)。
3.イネ科主体牧草サイレ-ジのリグニン、NDIP およびトウモロコシサイレージの CP、SIP、 NDIP、ADF、NDF、OCW、Ob、脂肪、デンプン、リグニンについては、近赤外分析のための検量 線を作成したので、迅速推定ができる(表 5)。
4.イネ科主体牧草サイレージについては OCW 中 Ob 割合(%)、トウモロコシサイレージについ ては ADF 含量(%DM)と OCW 中 Ob 割合(%)からリグニン含量(%DM)の推定が可能である。
牧草サイレージ :リグニン含量(%DM)=0.1168×EXP(0.0419×Ob割合(%OCW)) (R2=0.55) トウモロコシサイレージ:リグニン含量(%DM)=0.1338×Ob割合(%OCW)×ADF(%DM)/100-0.3998 (R2=0.61)
成果の活用面・留意点 1)新飼料成分表は新しい乳牛用飼料設計システム(NRC飼養標準およびCPMデーリィ等)を用 いた飼料設計に利用できる。 2)牧草サイレ-ジおよびトウモロコシサイレージを対象に作成した近赤外分析用の検量線は 飼料分析センターで統一して飼料分析サービスに用いられる。 3)他成分からのリグニン含量推定は、近赤外分析による直接推定より低いため、近赤外分析項目にリグニンがない場合にのみ、この方法を用いる。
カテゴリ 近赤外分析 飼料設計 トウモロコシサイレージ 乳牛

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