タイトル | ハウス栽培きゅうりの主要害虫に対する天敵農薬の利用法 |
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担当機関 | 道立中央農試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
八谷和彦 齊藤美樹 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ハウスでのきゅうり栽培において、ハダニ類、ワタアブラムシ、オンシツコナジラ ミの発生モニタリング法を利用すると天敵の導入適期を簡易に判定でき、天敵を有効に利 用することが可能である。 |
キーワード | キュウリ、天敵農薬、発生モニタリング法、バンカープラント |
背景・ねらい | 天敵農薬を効果的に使用するためには導入時期の判定が重要である。ハウスでのきゅう り栽培において、天敵の導入適期を簡易に判定する発生モニタリング法の開発をするとと もに、天敵を有効に利用する方法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. きゅうり定植時にハウス内周縁部へ播種したいんげんにおいて、ハダニ類の初発はき ゅうりとほぼ同時かそれ以前に確認され、いんげんはハダニ類初発モニタリングプラ ントとして有効であった(図 1)。モニタリングプラントを週 1 回観察し、ハダニ類の 初発が確認された時点でチリカブリダニを発注、放飼するとハダニ類の初期防除に有 効であった。 2. チリカブリダニは、初回放飼から 1~2 週間後に 2 回目の放飼をすることで防除効果が 持続した(図 2)。盛夏以降にチリカブリダニを放飼する場合は、ハダニ類による被害 程度 1 を目安とし、天敵に影響の少ない殺ダニ剤の散布を行ってから放飼を行う。 3. きゅうり果実にすす病が生じると予測されるワタアブラムシ密度を要防除水準とし、 寄生株率 50%(寄生葉率 20%、寄生頭数 10 頭/葉)に設定した。 4. きゅうり定植時にハウス内周縁部へ播種した秋まき小麦をバンカープラントとし、小 麦のアブラムシ類が散見された頃にコレマンアブラバチを放飼するとワタアブラムシ 防除に有効であった(図 3)。きゅうり栽培終了時までコレマンアブラバチを維持する ため、バンカープラントを健全に育成する病害防除などの対策が必要である。 5. オンシツコナジラミはきゅうりで初発が確認されるのとほぼ同時か、それ以前に粘着 トラップで成虫の誘殺が確認され、粘着トラップは初発のモニタリングに使用可能で あった。粘着トラップを週 1 回観察し、オンシツコナジラミ成虫の誘殺が確認された 時点でオンシツツヤコバチを発注、放飼するとオンシツコナジラミの密度抑制に有効 であった(図 4)。 6. 害虫の発生が要防除水準を超えた場合は、天敵放飼中であっても早急に化学農薬によ る防除に切り替える。天敵と化学農薬を併用する場合はできるだけ天敵に影響の少な い薬剤を使用する。 7. 天敵と化学農薬の互いに矛盾しない技術を組み合わせた、ハウス栽培きゅうりの主要 害虫に対する天敵農薬の利用法を取りまとめた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本技術はハウスでのきゅうり栽培に利用する。 2. 記載以外の病害虫防除については必要に応じて適宜行う。 3. 化学農薬の使用については日本バイオロジカルコントロール協議会作成の「天敵等へ の化学農薬の影響の目安」を参考とする。 |
カテゴリ | 病害虫 害虫 きゅうり 栽培技術 農薬 播種 病害虫防除 防除 モニタリング 薬剤 わた |